「日経ものづくり」2017年12月号のニュースの深層「JAXAが新型ロケットエンジン「LE-9」と種子島の燃焼試験場などを公開」を先行公開した記事です。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2017年11月14日、種子島宇宙センター(鹿児島県)で、新型ロケットエンジン「LE-9」の実機型エンジン2号機と燃焼試験場を報道陣に初めて公開した(図1、2)*1

*1 LE-9は全長が3.75m、質量が2.4tである。真空中推力は1471kNで、国内最大となる。

図1 「液体エンジン燃焼試験場」
液体エンジン燃焼試験場では、写真中央の施設にLE-9がつり下げられていた。エンジン真下は開口部となっており、燃焼試験時に反動を逃がしている。エンジンから排出された水蒸気は穴を抜け、坂の傾斜に沿って海側に流れていく。
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図2 新型ロケットエンジン「LE-9」
国産次世代主力ロケット「H3」の第1段向けに、新たに開発されているエンジンである。燃料は水素、酸化剤は酸素を利用している。左側が液体酸素ターボポンプ、右側が液体水素ターボポンプである。
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 燃焼試験場には3階建ての施設があり、2階からエンジンをつり下げている*2。1階部分となるエンジン真下には開口部が存在し、地表面まで約23mの距離がある。これにより噴射時の反動を逃がす。

*2 国内最大の燃焼試験場。3階には燃料と酸化剤を貯蔵する円柱の建造物があり、図1の左側に燃料の液体水素、右側に酸化剤の液体酸素が蓄えられている。

 LE-9の実機型エンジン1号機の燃焼試験は、種子島で2017年4月から7月にかけて計11回実施され、合計で約270秒の燃焼試験を行った。推力、比推力といったエンジンの性能を測定したほか、起動や停止といった動作制御を確認した。当初は最後に270秒の連続燃焼を予定していたが、予期せぬ破損などの可能性を配慮して取り止めたという。今回公開した実機型エンジン2号機は2017年10月23日に搬入。1号機の試験結果を反映し、強度の向上など改良を加えた。今後エンジンの耐久性確認などのプログラムを予定するという。

「LE-9」燃焼試験10回目
実機型エンジン1号機の燃焼試験10回目。約70秒の試験が行われた。

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