米Intel社がFPGA大手ベンダーの米Altera社を買収してから1年半以上が経過した。車載、データセンター、5G(第5世代移動通信システム)などの成長市場で採用が加速しているFPGA事業を手に入れたIntel社は、現在どのような戦略を描いているのか。同社のFPGA(プログラマブルデバイス)事業の責任者であるDan McNamara氏に今後のかじ取りのシナリオを聞いた。Dan氏が日本のメディアの取材を受けるのは今回が初となる。

Dan McNamara氏(ダン・マクナマラ)
2015年12月にIntel社に加わる。Intel入社前は、Altera社Embedded部門のVice President and General Managerを務める。半導体業界で25年を超える経験を有する。(写真:栗原 克己)

――Intel社にとって、なぜFPGA事業が必要だったのか、その狙いからお聞きします。

 背景には、Intel社自身が、パソコン(PC)向け中心の企業から、世界中の500億以上ものコネクテッドデバイスを対象とする企業に変わろうとしていることがあります。

 その流れの中でなぜFPGAが重要かと言いますと、自動車から通信ネットワーク、その先のクラウドに至るまで、さまざまな用途において、処理を加速するアクセラレーターの役割を果たせるからです。莫大な数のコネクテッドデバイスの存在により、ネットワーク上のデータが急速に増えています。これに伴い、データを処理する半導体に対する性能要求が急速に高まりつつあります。加えて、クラウドにつながる機器やデータセンターでは機能追加のペースが著しく、フレキシビリティーの向上がますます重要になっています。

 これらの要求にまとめて応えられるのがFPGAです。FPGAをアクセラレーターとして使うことで、性能を大幅に向上できます。FPGAは顧客が手元で機能をプログラムできるため、さまざまなアプリケーションにおいて、一からカスタムチップを設計開発しなくても、FPGAをカスタム化して使用することが可能です。さまざまな機器においてFPGAを採用する動きがここ数年、確実に広がっているのはこれらの理由からです。

 Intel社では、Altera社買収後のFPGA事業は、プログラマブル・ソリューションズ・グループ(Programmable Solutions Group:PSG)という事業本部が継承しています。Alteraという社名はなくなりましたが、もともとAltera社が有していた精神や姿勢はまだ残っています。PSGの責任者である私は、Intel社CEOのBrian M. Krzanichに直接レポートしています。PSGは独立した事業本部ではありますが、それと同時に、Intel社内の幅広い知見をFPGA製品や関連ソリューションに生かすことができるようになりました。これがIntel社との統合の大きなメリットです。

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