マルチコアプロセッサーIC向けのソフトウエア開発には多くの課題があるが、リアルタイムOSやソフトウエア開発ツールの改善により、環境は徐々に良くなってきている。ランタイム検証ツールや自動並列化コンパイラーなど、新しい技術も市場に投入された。本腰を入れてマルチコア対応のOSやツールを評価・導入するユーザーが増えている。

 プロセッサーICのマルチコア化が始まって10年が経過した。情報系機器に続いて、制御系機器へのマルチコアプロセッサーICの搭載が始まり、マルチコア対応のリアルタイムOSやソフトウエア開発ツールを、本腰を入れて評価・導入するユーザーが増えている。

 「2015年前半の案件は、ほとんどマルチコア対応OSがらみだった。産業用機器など、マルチコアが初めての顧客が当社にポーティングを依頼してきた」(エーアイコーポレーション TOPPERSグループ シニアエンジニアの原田雅章氏)。「以前はなかったことだが、ADAS(Advanced Driving Assistant System)の顧客から、並列処理の記述に使うPOSIX threadの対応について質問されるようになった」(QNXソフトウエアシステムズ ビジネスデベロップメントマネージャ アジア太平洋地区自動車分野担当の中鉢善樹氏)

 マルチコアソフトウエア開発には、まだ多くの課題がある。例えば「プログラミングが難しい」、「対応できる人員が足りない」、「マルチコア特有の不具合がある」、「性能の見積もりやシステムアーキテクチャーの検討が必要になる」などである。こうした課題を解決するため、OSベンダーやツールベンダーは自社製品にさまざまなマルチコア対応機能を追加してきた(図1)。例えば、逐次プログラムを並列プログラムに変換する自動並列化コンパイラーの製品化も、新たに始まっている。

図1 OSや開発ツールのマルチコア対応が進む
マルチコアのソフトウエア開発が抱える3つの課題の解消を目指して、リアルタイムOSやソフトウエア開発ツールのマルチコア対応が進んでいる。
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 以下では、マルチコアに対応したOSやツールの動向を紹介する。

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