トヨタ自動車が、車載電池事業でパナソニックと協業を検討し始めるなど、電気自動車(EV)をはじめとする電動車両への取り組みに積極的な姿勢を見せ始めた。同社が2017年11〜12月に立て続けに実施した3回の報道発表から、次世代電池、パワーコントロールユニット、モーターといった電動車両向けの技術と事業の戦略を解説する。

 トヨタ自動車は、2017年11~12月に電気自動車(EV)を幅広く普及させる上で欠かせない要素技術を率先して開発していく姿勢を示した。3週間に3回の報道発表会を相次ぎ実施。同社の技術力をアピールするとともに、まだまだ足りないと考える電池技術などの開発で関連業界を先導していく意欲を見せた。同年10月開催の「第45回 東京モーターショー2017」では、同社が次世代車載電池とみる全固体電池を2020年代前半に実用化する方針を明らかにしている。

 これまで同社は、EVに対する市場の要求や要素技術の成熟度をにらんで開発するという「待ち」の姿勢だったが、自ら仕掛ける「攻め」の体勢に転じた。

パナソニックと電動化のアクセル

 同社の意欲が特に強く表われたのが、車載用角形電池事業についてパナソニックと協業の可能性を検討すると発表した12月13日の会見と、2025年ごろまでにエンジン車のみの車種をゼロにする方針を明らかにした12月18日の2つの会見だ(図1(a)(b))。

図1 電動化技術で相次ぎ発表
トヨタ自動車は、2017年11~12月に自動車の電動化技術に関する報道発表会を立て続けに実施した。内容はいずれも、培った技術がEV(電気自動車)にも活用可能なことを示すものだった。パナソニックとは角形電池の共同開発の検討を開始した(a)。2025年ごろまでにエンジン車のみの車種の販売をなくす方針を明らかにし、電動化にかじを切る姿勢を見せた(b)。電池、モーター、インバーターの技術力の高さを強調した(c)。
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 12月13日の会見では、2030年までに「電動車両」の販売比率を50%にする目標をトヨタ社長の豊田章男氏自らが明らかにした。電動車両とは、ハイブリッド車(HEV、HV)、プラグインハイブリッド車(PHEV、PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)である。2020年にEVを本格展開し、2030年にはEVとFCVの比率を合わせて10%以上とする。

 協業によって同社は、民生用電池が起源の円筒形Liイオン電池を米Tesla社に提供中のパナソニックと、容積効率が高く車載用で広く使われる角形の共同開発・生産を検討する。

 12月18日の会見では、EVの中核部材の電池について「(これまで)描けなかった(課題を乗り越えて普及させる)ストーリーを描きたい」と副社長の寺師茂樹氏が語った。電池の調達面での課題と充電時間をはじめとする技術面での課題の解決を狙う。「(パナソニックとの協業でEVの)最後のピースだった電池の問題が解決する。だから、電動化に思い切ってアクセルを踏むことができる」(同氏)。同社は2030年までに電池の開発・生産に1兆5000億円を投じる。

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