英GKN社の日本法人GKNドライブラインジャパンは、次世代の電子制御カップリングを2018年から量産する。雪道に代表されるグリップ力が弱い路面での制御性を高めた。開発品を搭載した試作車を用意し、自動車メーカーの担当者に体験させた(図1)。

図1 前輪が空転せずスムーズに発進
(a)開発した電子制御カップリング。(b)開発品を搭載したマツダ「CX-5」を使って効果を検証した。前輪だけ摩擦係数が小さい路面に接地させた状態でアクセルを踏んだ。場所は栃木県にあるGKN社のテストコース。
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 駆動輪となる前輪がスリップしそうになると後輪にトルクを配分する──パートタイム式4輪駆動(4WD)システムの需要が高まっている。通常は2輪駆動(2WD)車として走り、走行状況や路面状況に応じて4WDにする。この切り替えを担うのが電子制御カップリングだ。FF(前部エンジン・前輪駆動)ベースが多く、後輪デファレンシャルギアの手前に配置する。前後輪の回転差を検知し、前後輪に最適なトルクを配分する。

 運転者の立場から、電子制御カップリングの活躍を期待する場面の一つが、スリップの恐れがある雪道だろう。2016年11月24日には関東でも広範囲で雪が降った。いざという時にこそ機能してほしいが、現在の製品では特定の条件では力不足になるという。

 例えば、「半径が大きいコーナーで、凍結路面が突然出現して前輪に空転が生じた時が考えられる。応答時間がかかって後輪へのトルク伝達が遅れ、車両の挙動が乱れる」(GKNドライブラインジャパンエンジニアリングケーパビリティーデザイン課の丸山豊史氏)。さらに、雪が降るような低温環境下では、駆動系部品の破損防止を優先して制御を限定あるいは停止することもある。低温で引きずりトルク(空転トルク)が大きくなることが原因という。

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