トヨタ自動車が2015年から実用化している自動ブレーキ「Safety Sense」用センサーの調達先を一部変更したことが分かった。同ブレーキには、先行車を認識する基本機能の「C」と、歩行者まで認識できる上位機能の「P」がある。同社は、後者の部品メーカーをデンソーの単独供給からドイツContinental社との複数調達に改めた。

 トヨタは2015年4月に主力車種「カローラ」で基本機能のC、同8月にはSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「ランドクルーザー」に上位機能のPをそれぞれ初搭載した。大まかには、小型車向けはC、Cセグメント以上の車両ではP、というように使い分けている(表)。2017年までに日・北米・欧州のほぼすべての車両に対応させる計画であり、残り1年となった。

表 自動ブレーキ「Safety Sense」のPの搭載車を増やしていく
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 日本の車両については、2016年11月末の段階で、基本機能のCは14車種に広がったが、上位のPは4車種にとどまっている。Pへの対応が限定されている点について「基本機能の搭載を優先してきた。Cは一区切りついたので、今後はPに対応する車種を増やしていく」(トヨタ自動車第1先進安全開発部主任の中通実氏)という。

 これまでトヨタは、基本機能のCのセンサーはContinental社、上位機能のPのセンサーはデンソーと、それぞれで部品メーカーを分けてきた。しかし、2016年夏から、上位のPに関しては段階的にContinental社にも任せることにした。特に、2016年末発売の世界戦略車、小型SUV「C-HR」からはContinental社が本格的に供給を始めることになる(図1)。

図1 トヨタが2016年末に発売予定の小型SUV「C-HR」
歩行者にも対応した自動ブレーキ「Safety Sense P」を標準搭載する世界戦略車だ。同センサーは、従来はデンソーの独占供給だったが、今回はContinental社が供給する。車線維持支援システムや、先行車追従機能なども備えた。
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 「今後は自動ブレーキの標準搭載を増やしていく必要があり、センサーの大幅なコストダウンが避けられない。部品メーカーに競争原理を持ち込むことにした」―。トヨタの中通氏は、複数調達に至った背景を述べる。

 Pのセンサーを担当する部品メーカー2社の棲み分けは、グローバルで車種ごとに決める。車種ごとにセンサーの設定作業に時間がかかるためだ。センサーの形状については、両社で若干異なるが、先行車や歩行者、白線を検知するセンサーとしての性能は同等を確保したという。

 上位のPであれば、相対速度で先行車に対して40km/hまで、歩行者に対しては30km/hまでであれば、自動ブレーキで衝突を回避する性能を備える。自動ブレーキに加えて、車線維持支援システム、先行車追機能もある。

 Continental社が最初にPのセンサーを担当したのは、2016年夏に欧州で発売したピックアップトラック「Hilux」である(図2)。欧州の自動車アセスメント「EuroNCAP」の歩行者対応自動ブレーキに対応するのが目的だ。ただし、Hiluxのシステムは、自動ブレーキに限られていた。一方、C-HRは、これらの制限がなく、現状のデンソーのシステムと同じ機能を持たせた。

図2 トヨタのピックアップトラック「Hilux」欧州向けモデル
2016年夏に発売した。Safety Sense Pのセンサーとして、初めてContinental社製を採用。最初の車両であるため、自動ブレーキに機能を絞った。欧州の自動車アセスメント「EuroNCAP」への対応が狙い。
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