IT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2016」が2016年10月に開催された。自動車関連ではヘッド・アップ・ディスプレー(HUD)や液晶メーター、タッチパネルなど自動運転時代に向けて進化させた車載部品の展示物が多く見られた。

 三菱電機とデンソーはHUDに加えて、液晶画面のインストルメントパネルや、電子ミラーの映像を映す液晶パネルなどを含めた運転席の構想を公開した。スタンレー電気は薄さを追求し、厚さ1cmのHUDを開発。浜松ホトニクスはHUDの機構部品である「Micro ElectroMechanical System(MEMS)ミラー」を用いたHUDを展示した。

視差で遠くに見せる

 映像を遠くに見せ、機構を小型にする。これがHUDの開発の争点となっている。三菱電機は、左右の目の視差を利用してHUDの映像に奥行きを持たせる(図1)。左目用と右目用で異なる画像を重ねて見せて立体感を出す技術だ。例えば交差点に近づいた時、交差点までの残距離の情報を運転者の3m前方に表示する。進行方向などの情報は、最大で10m先に見えるようにすることが可能だ。2020年の発売を目標に自動車メーカーに提案している。

図1 三菱電機のHUDはより遠くへ映像を見せる
左右の目の視差を利用して奥行きを出す。運転者から最大10m先の位置に見えるように立体的に投射する。
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 同社のHUDでは、液晶画面で映した映像を鏡で反射し、その映像を「コンバイナー」と呼ばれる部品で投射させることによって映像を表示する方式を採用している。この方式でHUDの映像を遠くに見せるには、一般的に液晶画面から鏡までの距離と、鏡からコンバイナーまでの距離を遠くしなければならない。そのため機構が大きくなりやすい。しかし、同社のHUDは視差を用いて遠くに見せるので距離を遠くする必要がなく、機構を小さくできるとする。「他社製品と比べて遠くに投射できることが強みだ。3~10mまで投射距離を刻むことができる。自動車メーカーは、できるだけ遠くへの投射を求める一方で、機構は小さくしたいという要望が強い」(説明員)という。

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