日産自動車は2017年9月、2代目となる電気自動車(EV)「リーフ」を発表した。初代の登場から約7年での全面改良だが、中身は部分改良に近い。航続距離を400kmに延ばして、新しい運転支援機能を盛り込んだ。2020年ごろに訪れる本格的なEV時代に向けた、“中継ぎ”としての役割を担っているようだ。

 新型リーフは、電気駆動の中核を担うモーターや骨格の要となるアンダーボディーなどを初代から踏襲した。開発責任者を務めたチーフビークルエンジニア(CVE)の磯部博樹氏によると、「リーフのプラットフォーム(PF)はまだ1世代しか使っておらず、開発コストをかけて刷新する必要はないと判断した」という。

 一方で、全面改良の目玉として、ミニバン「セレナ」から導入している運転支援機能「プロパイロット」や、進化した駐車支援システム「プロパイロットパーキング」を採用。内外装も初代からがらりと変えた(図1)。それでも、自動車業界内からは「部分改良の域を出ない」という声が多く挙がる。

図1 外観一新だが中身は初代を踏襲
(a)外観は丸みを帯びたデザインだった初代から変更し、シャープに仕上げた。「ノート」や「エクストレイル」なども採用するフロントグリル「Vモーショングリル」を採用した。(b)電池やモーターの配置や、アンダーボディーなどは初代から引き継いだ。
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2017年に新型リーフを出すワケ

 日産はなぜ、このタイミングで新型リーフを投入するのか。背景に二つの動きがある。一つは欧米メーカーのEVシフトで、もう一つは日産自身のEV投入計画だ。「日産は初代リーフを発売して以来、EVの先駆者としての自負を持っている。今まさに、世界は本格的なEVの時代へと動き出したところだ」──。日産社長の西川廣人氏は現状をこう分析する。

 米Tesla社の新型EV「Model 3」の予約が50万台を突破し、フランスや英国、中国などはガソリン車の販売禁止を検討し始めた。EVが普及期に突入する機運が高まる中で、先駆者の日産としては新型EVを投入して存在感を示しておく必要があった。

 もう一つの背景として、日産が2020年にEV専用の新PFを投入する計画がある。フランスRenault社や三菱自動車などの連合でPFを共用し、2022年までに同連合で12車種のEVを投入する。電池やモーターなどの基幹部品は100%共通化する予定だ。同連合会長のCarlos Ghosn氏はEV専用PFの導入で、「内燃機関車に比べて極めて高い価格競争力を実現する」と意気込む。“真打ち”を2020年に投入するためにも、手の内はまだ隠しておきたい。

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