編集部から

 タイ・バンコクの気候が最も旅行に適しているのは11月から2月までだそうです。しかし、今号の特集2の3工場を取材したのは、雨季の最後の時期。Roland Digital Group(Thailand)社からMATSUI(ASIA)社に向かう途中、信じられないようなスコールに遭遇しました。数分前まで何でもなかった道路があっという間に冠水。2011年の洪水のとき「水が来る前に設備や金型を2階に上げればいいのに」と不思議に思ったものですが、それが無理なことが分かった気がしました。(木崎)

おすすめの1冊・「現場で使えるか?」に徹底したこだわり

図解 基本からよくわかる
品質管理と品質改善のしくみ
著者:西村 仁
発行:日本実業出版社
定価:1600円+税
判版:A5判 217ページ
ISBN:978-4-534-05320-6
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 英語圏の国に赴任することになった時、英語がペラペラになるまで勉強が必要だろうか。完璧に勉強しようと思えば、いつまで経っても仕事に着手できないだろう。中学英語程度を復習したら、思い切って海外に飛び込んで現地の人と話した方がよいのではないか。最初は片言でも、よほど使える英語が身に付くはずだ。少なくとも、その方が肝心の仕事は進むだろう──。

 こう表現すれば、本書のイメージが伝わるのではないか。品質管理の書籍は既にごまんとある。だが、どの項目も手法も等しく大切であると言わんばかりに、同じような「筆圧」で書かれている。右も左も分からない人が、「どれも重要だから懸命に学べ」と言われたら、時間や労力ばかりを費やす一方で、一体いつになったら業務に就けるのだろうかと不安に感じるだろう。本書はこうした読者に、「まずはこれだけ覚えておけば十分」と喝破してくれる。

 著者は隠さずに言う。「実務に完全に偏った本だ」と。視点は「現場の人にとっての使いやすさ」にある。それもそのはず。著者は生産技術者としての現場経験を持つ。だからこそ、「これは必要だが、これは要らない」といったメリハリが分かるのである。(近岡)