「トヨタ流人づくり 実践編 あなたの悩みに答えます」では、日本メーカーの管理者や社員が抱える悩みに関して、トヨタ自動車流の解決方法を回答します。回答者は、同社で長年生産技術部門の管理者として多数のメンバーを導き、その後、全社を対象とする人材育成業務にも携わった経歴を持つ肌附安明氏。自身の経験はもちろん、優れた管理手腕を発揮した他の管理者の事例を盛り込みながら、トヨタ流のマネジメント方法を紹介します。
悩み
研究開発部門のマネジャーです。今、新しい技術開発のプロジェクトをチームで進めていますが、最近、部下への指示に困っています。細かい指示を逐一出さないと、思った通りに動いてくれないのです。同じチームで、同じ目標の下で働いているのに、なぜ「ああしろ、こうしろ」とあらゆる指示を与えなければならないのか、不思議に思っています。「あうんの呼吸」はどこにいったのでしょうか。

編集部:「あうんの呼吸」は、海外企業と比べた際に日本企業の長所としてしばしば言及されます。海外では日本流のやり方は通用しないという警鐘の意味で取り上げられることも多いのですが、それでもトヨタ自動車はあうんの呼吸を強みとしているように思えます。何か秘訣があるのでしょうか。

肌附氏— ひょっとすると、「日本人同士なのだから、自然とあうんの呼吸が成り立っているはずだ」という誤解があるのではないでしょうか。確かに、日本人は「空気を読む」ことに長けている面があります。しかし、何も努力せずに、そうした意思疎通の良さがそのまま業務に生かされると思ってはいけません。むしろ、部下との間であうんの呼吸の関係を構築するには、管理者が努力をしなければならないのです。

 この点に関し、トヨタ自動車の管理者の多くが大切にしているのは、上司と部下との間の「心の見える化」を図ることです。細かいことを言わなくても、上司が考えていることを部下が認識できるようにするためです。

編集部:そのためには、何をしたらよいのでしょうか。

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