図1 BOE社の液晶パネル工場
北京と合肥にそれぞれ2工場、成都とオルドスと重慶にそれぞれ1工場を持つ。さらに、成都と福州に新工場を建設している。そして今回、合肥で3番目の工場となる第10.5世代工場を着工した。図中のGは工場の世代を示す。また、a-SiはアモルファスSi、LTPSは低温多結晶Si、酸化物は酸化物半導体の略。これらの半導体をバックプレーンのTFTに用いる。
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図2 第10.5世代工場の起工式を開催
BOE Technology Group社は、第10.5世代の液晶パネル新工場の起工式を、2015年12月2日に安徽省合肥市で開催した。(写真:BOE社)
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図3 ほぼ3m四方となる巨大な第10.5世代基板
各世代のガラス基板の大きさを示したBOE社の展示。一番外側の四角が第10.5世代基板の大きさを示している。
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 中国BOE Technology Group社が第10.5世代の液晶パネル新工場を、2015年12月2日に着工した(図1、図2)。新工場の総投資額は400億人民元(約7700億円)。2018年第2四半期の稼働を目指す。新工場で使うガラス基板の寸法は2940mm×3370mm。堺ディスプレイプロダクトの第10世代基板(2880mm×3130mm)を上回り、世界最大となる(図3)。

 新工場は安徽省合肥市に建設する。同社は四川省成都市や福建省福州市にも液晶パネル工場を相次ぎ建設する計画。成都と福州の工場は2017年の稼働を目指している。他社の追随を許さない大規模投資を矢継ぎ早に敢行し、“液晶世界一”の基盤を固める。

 BOE社は、今回着工した合肥の10.5世代工場で、65型以上の大画面テレビ用の液晶パネルを中心に生産する考え。テレビ以外にも、公共表示用や医療用などの大画面液晶パネルの生産も想定している。まず、9万枚/月(ガラス基板投入能力)の規模で生産ラインを立ち上げる計画だ。

ポストSamsung

 BOE社の相次ぐ大規模投資は、競合他社を振り落とし、世界一のメーカーになるための戦略と言える。先行者の日本・韓国・台湾メーカーをキャッチアップし、後発の中国メーカーの追随も許さない。今後2~3年で、世界のトップメーカーとしての足場を固める計画だ。

 その姿は、かつての韓国Samsung Electronics社の姿と重なって見える。2000年前後、赤字に苦しんだ日本の電機メーカーが液晶工場への投資を逡巡している間に、巨額投資を敢行したのがSamsung社だった。典型的な設備産業である液晶パネルのビジネスでは、生産能力の規模がものを言う。同社はその後、世界最大の液晶パネルメーカーとなり、技術開発でも世界をリードする存在になった。

 BOE社の動きは、当時のSamsung社と似ている。液晶パネル事業の採算性が悪化し、各社が工場投資に踏み切れないのを尻目に、BOE社は大規模投資を次々に実行する。今後3年間で、総額2兆円に迫る巨費を投じる、3つの新工場が立ち上がる計画だ。

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