Passive Wi-Fiの信号を、既存の無線LAN対応スマートフォンで受信した様子(写真:University of Washington)
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 米University of Washington ProfessorのJoshua R.Smith氏の研究室は、無線LAN端末の送信時の消費電力を従来の1万分の1に低減する技術「Passive Wi-Fi」を開発した。既存のIEEE802.11b準拠の無線LANと互換性を保ちながら、11Mビット/秒で伝送時に消費電力を59.2μWに低減した。従来は数百mWだった。

 開発には米Qualcomm社などが出資している。Smith氏らは同技術を実用化するベンチャー企業の米Jeeva Wireless社を設立済みで、2016年中にも製品を発売するもようだ。

 Passive Wi-Fiでは、従来の無線LAN端末の送信回路の役割を2つに分け、別々の機器に実装して利用する(図1)。1つは、変調されていない搬送波をエリア全体に送出する無線回路(RF部)中心の機器。1つのエリアに原則1台で、電源コンセントに接続して利用する。無線LAN端末のアクセス制御もこの機器が担当する。

図1 無線LAN端末のベースバンド部とRF部を分離
Passive Wi-Fiの端末構成を示した(a)。従来の無線LAN端末は、ベースバンド処理回路(BB)部と無線回路(RF部)が組みになっていた。Passive Wi-Fiではこれを分離。複数の無線LAN端末のRF部の機能は、電源コンセント付きの機器が担当する。BB部だけになった端末はアンテナ以外、アナログ素子がなく、RF信号は受信電波の電力で送信するため、消費電力は非常に低い(b、c)。
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