2017年1月19日の23時ごろ(現地時間)、英国・フェリックストー港のコンテナ岸壁に着岸作業中のコンテナ船で補助ボイラーが爆発した。操機手1人が死亡、二等機関士1人が火傷で負傷した。重油系の燃料を別の燃料(マリンガスオイル)に切り替えたところ、それが低温環境下で目詰まりを引き起こし、ボイラー炉内が異常燃焼して爆発に至ったのだった。

 爆発事故を起こしたコンテナ船の船籍が日本だったことから、国土交通省・運輸安全委員会が調査を実施。2017年12月に船舶事故調査報告書(以下、報告書)を公表した1)。以下、同報告書に基づいて事故の詳細を解説する。

ECA入域のために軽油へ切り替え

 事故を起こした「MANHATTAN BRIDGE」(以下、同船)は総トン数およそ15万tのコンテナ船で、船長以下25人の船員と水先人1人を乗せていた。船舶管理会社はシンガポール“K”Line Ship Management(Singapore)社(以下、船舶管理会社)である。

 事故の経緯は次の通り。同船は、現地時間(以下同じ)2017年1月16日14時35分ごろに船内で使用する全ての燃料油をC重油から船舶用の軽油であるマリンガスオイル(以下MGO)に切り替えた。これは欧州の一部海域が、硫黄酸化物(SOx)規制が適用される「Emission Control Areas(ECA)」*1であるためだ2)。事故当日の19日は、8時55分ごろにオランダ・ロッテンダム港でコンテナを積載した後、英国・フェリックストー港に向けて出港した。

図1 爆発事故を起こした補助ボイラー
補助ボイラーの爆発事故により、機関士が火傷を負い、操機手が死亡した。事故前に複数回の危急停止警報が発していた。 (出所:国土交通省)
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