設計でバリエーションを実現した後、それを実際に生産するには生産設備や担当者を割り当てて、スケジュールを決めなければならない。従来とは異なり、生産工場は1カ所ではなく、世界中に存在している。さらに、複雑な構成の製品では、バリエーションによって工程が異なり、使用する生産設備が変わる可能性もある。

 このような場面を支援するITとして、BOP(Bill of Process)が注目を集めている。BOPが取り扱うのは工程とその順番の情報、各工程で使う設備、治具、担当者などの資源情報である。「従来の帳票でいうと『工程ツリー』『QC工程表』『作業指示書』の“製造三票”を合わせたものに相当する」(NEC製造・装置業システム開発本部主席ソフトウェアプロダクト主幹の松原芳明氏)。

設計情報から工程情報を参照

 IoT(Internet of Things)の応用などにより工場のスマート化を目指す団体IVI(Industrial Value Chain Initiative)は、製品に設計変更が生じたとき、世界中の生産拠点にいる該当部分の担当者を、BOPを活用して特定する実証実験を実施した。特定した担当者をオンライン会議に召集し、全拠点一度に対応を検討、情報を共有するという想定だ。「従来であれば、紙の書類を調べたり、海外まで電話を掛けたりして数時間から数日かかるはずのところだが、数分で特定できることを実証できた」(同氏)という

* この実証実験用のシステムには、PLM・PDM システム「Obbligato III」(NEC)を使っている。

 この仕組みは、バリエーションに富む製品の生産計画や生産指示にも利用できると考えられる。設計BOMの各部品に対して、BOPの工程情報をひも付けてあるため、部品に設計変更があれば、その部品の製造工程がすぐ分かる。BOPではさらに、担当者や設備といった資源情報も結び付けて管理しているため、設計変更に関わる担当者が誰かをすぐに特定できるわけだ(図1)。

図1 設計変更が影響する設備、担当者をグローバルに検索
複数の生産拠点それぞれでの担当者を短時間で特定できる。IVIのワーキンググループでNECが担当した実証実験。
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