単に大手メーカーの工場を誘致するだけでなく、地域の基盤産業を育成し、部品や製品へと発展させて独自のものづくり産業を構築する。こうした地方創生を目指した取り組みが日本各地で活発になっている。

 その1つが、沖縄県うるま市で進んでいる電気自動車(EV)コミュニティー構築の取り組みだ*1。「EVを造るだけでなく、使うことも含めてEVをうるま市の発展に生かしたい」(沖縄県うるま市経済部企業立地雇用推進課の盛根淳二氏)というコンセプトである。沖縄県内を中心に、県外や海外も含めた産官学の連携によってこれを実現しようとしている(図1)。

図1 EV開発に関する連携の構図
ものづくりネットワーク沖縄と金型技術研究センターを中心に、沖縄県内の中小製造業や自動車整備工場などが連携して取り組んでいる。沖縄県やうるま市といった行政からのバックアップも受け、県外や海外の大学、メーカーとも連携している。
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*1 EVに注目した理由は環境問題といった世界的な潮流だけでなく、沖縄県ならではの理由がある。沖縄県には那覇市内にモノレールがある以外は鉄道がなく、移動手段としてクルマへの依存率が高い。これに加えて、全長106kmの沖縄本島では約8割の家庭で1日の走行距離が30km未満であり、平均気温が23.1℃と電池にやさしい点もEVに適した土地柄といえるだろう。

 ものづくりの面で中心となっているのが、2010年に組織化した沖縄県金型技術研究センターと、一般社団法人として2011年10月に立ち上げた「ものづくりネットワーク沖縄(以下、mdn)」だ。公的組織である金型技術研究センターが主に解析・評価などエンジアリング系を担当し、民間組織であるmdnが実践的な開発プロジェクトを担う。さらにこの2つの組織をうるま市などの行政がバックアップする(図2)。

図2 沖縄県うるま市で産学官連携によるEV開発に取り組むメンバー
左から、沖縄県金型技術研究センター主任研究員の泉川達哉氏、沖縄県うるま市経済部企業立地雇用推進課の盛根淳二氏、ものづくりネットワーク沖縄EV事業部の伊口明高氏。右側の自動車はコンバートEV。
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