正面から見ると、テンキーの像が見える。しかし、そこにスクリーンやディスプレーはない。ただ、指で触ると、ややチリチリとした感触がある。ボタンが確かに指に触れたように感じる。

 東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻教授の篠田裕之氏のグループは、周波数40kHzの超音波を指先の直径1cm程度の領域に集中させることにより、触感を生じさせる「空中超音波触覚ディスプレイ」を開発した。空中に表示したディスプレーの像の位置に指が来たとき、そこを狙って超音波を集中させ、音響放射圧を発生させて指先を押す仕組みだ(図1)。

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図1 何もない空間に触覚をつくり出す「空中超音波触覚ディスプレイ」
指の表面に超音波を集中させて「音響放射圧」を発生させ、皮膚を押す。東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻教授の篠田裕之氏のグループによる。ユーザーが見ている画像(右下)がある場所は、スクリーンも何もない空間である。

 このような、仮想的に触感を生成する研究が進んでいる。将来、工業製品やサービスで触覚を自由に扱う基礎技術になると期待できる。

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