ディープラーニング(深層学習)の技術開発がますます活発になっている。最適な行動や動作の決定、コンテンツの生成といった用途に使える成果が相次ぎ登場した。画像内容の質疑応答が可能な対話システムなど、高い知性の実現を目指した研究も始まっている。

 「DNNは、真の知性を作るための重要な一要素になると思う。ただし、未来のDNNは現在とはかなり違う。新たなタスク(課題)に対して適切なネットワークの構造を自動的に考案し、ネットワークの構造を常に進化させ、精力的に情報を集め続けて将来どう行動すべきかを学んでいく」(米University of California Berkeley校 ProfessorのTrevor Darrell氏)。

 深層学習を使って、より知的なAIを実現しようと試みる研究がますます活発になっている。パターン認識のように、与えられたデータを受け身で処理する段階から、データをもとに現実世界に反応を返す能動的なAIの実現へ重心が移りつつある(図1)。

図1 進化する深層学習
深層学習の応用は、画像や音声の認識といった実世界を受動的に知覚する用途から、行動の判断や動作の制御といった実世界に対して能動的に働きかける用途に広がりつつある。その先には、人間並みの知能という究極の目標が待ち受ける。
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 次なる実用化につながりそうなのが、適切な行動の選択やロボットの動作の作成、コンテンツの生成などである。他のAI技術や異なる性質のDNNと組みわせて、これらを可能にする手法が次々に登場している。現在は学習や実行に膨大な計算能力が必要だったり、精度がまだ十分でなかったりするため、実用化には5~10年を要しそうだ。

 さらに進んで、高度な知的能力の実現を目指した検討も始まった。人間がルールを記述するのではなく、学習によって論理的思考や類推といった機能を実現することを狙う。ネットワーク構造の見直しや学習方法の検討が活発だ。自然言語による対話システムなどは10年以内にも実現しそうだが、自らを作り変え自発的に学習するような、人に迫る知性が登場するのは10~20年は先になるだろう。

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