カメラやイメージセンサーの仕様・性能の基準が、人の眼に捉われなくなり、多様な方向に進化する動きが具体化してきた。市場と技術で先頭を走るソニーなどが、CMOSイメージセンサーに測距機能を追加する技術、波長別に撮像する技術、1000フレーム/秒の高速撮像を実現する技術などを開発中だ。光学部品をなくすレンズレス技術の開発も始まった。

 人の「眼」を超えるための技術開発から、人の「知性」を超えるための技術開発へ。カメラの進化の方向が変化するのに伴い、イメージセンサーの技術開発の方向性が多様になってきた(図1)。

図1 イメージセンサーとカメラの技術進化の方向性が多様に
イメージセンサーとカメラの技術進化の方向性が、センシング用途の拡大によって多様化している。測距や多波長検知、高速撮像の機能を実現する技術が続々と登場しているほか、光学部品を省略したり撮像原理を一新したりする提案が出てきている。
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 今後のカメラシステムで、対象物を「見たまま」ではなく、その意味まで見通すためには、外観を補う正確な付加情報が有効だ。

 イメージセンサーメーカーが注目し始めたのは、対象と自分との位置関係の把握に有効な(1)距離情報、3原色以上に細やかな(2)多波長情報、反射や対象物の識別に有効な(3)偏光情報、動画のリアルタイム表示の基準である30フレーム/秒を大幅に上回る(4)高速フレーム情報などである。カメラを広くばら撒いて、多くの画像情報や関連情報を取り込むために、光学部品をなくす(5)レンズレス技術も実用化に近づいてきた。(6)高感度・広ダイナミックレンジの実現に向けたイメージセンサーやカメラ向けの新技術を含めて以下に解説する。

(1)距離測定機能

 イメージセンサーやカメラに測距機能を取り込むと、画素ごとの距離情報である距離画像が得られる。距離画像の取得原理には、光線を照射して反射時間を測定するToF(Time of Flight)方式と、異なる2つの視点から対象を捉え視差から測定するステレオカメラ方式などがある。

 ToF方式では、ソニーや、静岡大学、同大学発のベンチャー企業であるブルックマンテクノロジが開発中だ。原理の提案は以前からあり、長距離化や高精度化を低コストに実現する技術が現在の競いどころである。

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