より実態とのかい離が小さい規制を目指して新しい枠組みの導入を進めているのが排ガス規制だ。NMOG/NMHCとNOX、PMに対する排出量も規制強化の方向である。燃費・CO2排出基準では2025年に80g/km未満という目標が検討されており、企業別平均でのその達成やZEV規制の改訂で、環境先進車の重要性が増大する。

 自動車の主な環境規制・基準には、排ガス規制と燃費・CO2(二酸化炭素)排出基準、および両者に関連したZEV規制(Zero Emission Vehicle)がある。Part2では、乗用車に絞ってこれらの規制・基準の強化の方向性を見ていく。

WLTP導入で厳しくなる排ガス規制

 Part1で紹介したように、より実態とのかい離の小さい実効性の高い排ガス規制を目指して、日本と欧州が導入を予定しているのがWLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure)だ。WLTPは、さまざまな国・地域が利用できるようにと、幅広い走行パターンを織り込んだ試験方法で、より実際の運転に近い走行パターンで排ガスを評価できる。

 その試験モードであるWLTC(Worldwide Light-duty Test Cycles)は、日本、米国、欧州、インド、韓国における実走行データを基に策定されたもので、市街地走行の多い日本を意識した走行パターンや、高速道路の利用が多い欧州を意識した走行パターンなども含まれている。現行の日本の標準試験モードであるJC08や、欧州の同NEDC(New European Driving Cycle)と比較すると、WLTCの方が走行距離や時間が長く最高速度や平均速度が高い。加減速も激しくなっている(図1)。欧州は2017年9月、日本は2018年末までの導入を決めている。

図1 日欧米の排ガス・燃費規制における試験モード
欧州は2017年9月に、日本は2018年によりリアルな走行パターンに近い新試験モードWLTCに移行予定。
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 排ガス規制に関連してWLTPの導入で注意が必要なのは、同じ規制値でも汚染物質によってその厳しさが変わってくることだ。走行パターンそのものの違いによる影響も大きいが、それ以外にも車両質量の定義の違いや、コールドスタートの重み付けの相違が関係している。

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