座ったときに多くの人が心地良く感じるシートを設計するには、現状では試作品を使い、多数の被験者に評価してもらいながらの試行錯誤に頼る他はない。日本発条(ニッパツ)は深層学習技術を使って、シート表面に人が座って生じる圧力の分布(体圧分布)を基に座り心地を予測し、心地良さの設計をコンピューターで可能にする取り組みを始めた。

 これまで、座り心地を評価するには、さまざまな人を呼んでシートに座ってもらうしかなかった。「深く沈み込む感じ」「ソフトな感じ」「跳ね返る感じ」などの評価項目を7段階で答えてもらう(分類用官能評価シート)。あるいは、圧迫感などについて50段階の評点で数値化してもらう(回帰用CP50スケール)。その結果によって改善案を考えるが、これではせっかく3D-CADとシミュレーションがあっても、試作前に座り心地はほとんど検討できない(図1)。

図1 「快適感」をコンピューターが評価
シートに座ったときの快適感は、現状では試作品を使って人が評価するしかない(a)。体圧分布から快適感を予測できれば、コンピューター上での評価が可能になる(b)。さらに体圧分布と設計上の因子の関係が分かれば、最初から快適なシートを設計可能になる(c)。(ニッパツの資料を基に本誌作成)
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 シミュレーションで人のモデルをシートのモデルに座らせ、座面に生じる圧力の分布(体圧分布)を予測することはできる。試作品での測定でも得られる。「ベテランになると、体圧分布の画像を眺めて座り心地が良いかどうか、何となく分かるらしい」(ニッパツシート生産本部開発部主管の加藤和人氏)。

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