「コンピュテーショナルデザインにより、顧客ごとに1つひとつ異なる設計のトラックを納車できるようにしたい」(日野自動車デザイン部創造デザイン室未来プロジェクトグループ サブリーダー兼コーポレート戦略部の渡邊邦彦氏)。同社が開発プロセスの革新を目指すモデルケースとして作成した、近未来のモビリティー(小型の自動搬送車・自動運転バス)のコンセプトモデルのデザインは、このような考えの実現に向け取り組まれた*1

*1 アルテアエンジニアリング(本社東京)のユーザー会「2017 Japan Altair テクノロジーカンファレンス」(2017年7月)で公表した。

トポロジー最適化でデザインする

 2030年ごろの想定で、スマート農業への取り組みが進む郊外地域で活躍する野菜配送専用モビリティー「Transporter」と、地域内での移動に気軽に使える乗用のモビリティー「PeopleMover」(図1)。この両者にトポロジー最適化のツールを適用した*2

*2 使用したツールは「solid Thinking Inspire」〔米Altair(アルテア)〕。
図1 モビリティー車両のコンセプトデザイン
近未来の社会を想定してコンセプトを決め、それに合うデザインをトポロジー最適化ツールで生成した。街中での野菜配送専用モビリティー「Transporter」(a)と、移動用モビリティー「PeopleMover」(b)。 (出所:日野自動車)
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 背景には、個別の顧客の要望に応えようとする考え方がある。同社が販売するトラックは現在でも、顧客の要望を入れて1つひとつ異なる仕様で納車されている。それでも「決まったメニューの中から選んでもらっているのに過ぎないところもある。もっと個別の要望に1つひとつ応えるようにものづくりを変えていかなければならない」(同氏)。

 そのための手段が2つある、と渡邊氏は考える。その1つが社内のデザイン、設計や試作評価の担当者同士のコミュニケーションを密にすること、もう1つがコンピュテーショナルデザインだ。顧客の要望に加えて、社内で得た技術的な要件などを最初から織り込んでデザインを提示すれば、その後顧客に届けるまでの作業がスムーズに進む。

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