Axel Saleck(アクセル・ザーレック)
Saleck Consulting社 President
Axel Saleck(アクセル・ザーレック) 1993年、ドイツUniversity of Cologneで物理学の博士号を取得。1994〜1995年、愛知県にある分子科学研究所に所属。1996年に欧州SAP社に入社し、ERP製品などの南米市場対応の開発、製品管理、総責任者を歴任した。2004年に再来日し、パートナー企業によるイノベーションを支援する組織「SAP Co-Innovation Lab(COIL)」の設立を主導。2009年、ドイツに帰国し総責任者としてCOILを世界10拠点に展開した。2015年、Saleck Consulting社を創設。インダストリー4.0などの分野において、ノウハウ共有や国際連携支援といった活動を展開している。インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)の学術会員でもあり、国内外で講演など行っている。本誌でコラム「インダストリー4.0現地レポート」を連載中。

個人の働き方から産業構造のあり方まで日本がドイツに学べる点は多い。しかし、表面的な部分をなぞるだけでは決してうまくいかないだろう。日独両国で就業した経験を持ち、現在はIndustrie 4.0(インダストリー4.0)などの分野で独立系コンサルタントとして活躍するAxel Saleck氏に、ドイツの働き方や産業構造の根底にあるメンタリティーおよび教育制度を解説してもらった。 (編集部)

 インダストリー4.0をはじめとする製造業のデジタル化が今後進んでいくと、さらに多くのプロセスが自動化され、顧客や取引先とのやり取りもクラウド上で自動的に処理されるものが増えていくと考えられます。そのような世界において、製造業に関わる人々の働き方はどう変わるのか。そして、どのように準備しておけばいいのか。それらはドイツでも関心を集めているテーマです。実際、インダストリー4.0の推進役であるPlattform Industrie 4.0の「Work, Education and Training(仕事、教育、訓練)」というワーキンググループでは、将来の働き方について重点的に検討しています(表)。

表 Plattform Industrie 4.0のワーキンググループ(WG)
インダストリー4.0を実現する上で重要な5つの優先領域についてWGを設置しており、将来の働き方についてはWG5で検討している。
[画像のクリックで拡大表示]

 日本に比べると、ドイツの働き方はのんびりしているように見えるでしょう。実際、残業はほとんどせず、2週間以上の長期休暇を年に数回取るなど、一体いつ仕事をしているのかという感想を持つ日本人が多いと思います。

 それにも関わらず、ドイツは高い生産性と品質を確保しています。日本の今後の働き方を考える上で、ドイツから学べることはあるのでしょうか。日本に2回、計5年半滞在したドイツ人である筆者の経験を踏まえて、ドイツ人のメンタリティーやドイツの教育制度が高い生産性にどのように関係しているのか、日本とドイツの根本的な相違点はどこにあるのか、という観点から紹介していきたいと思います。

この先は有料会員の登録が必要です。「日経ものづくり」定期購読者もログインしてお読みいただけます。今なら有料会員(月額プラン)は12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら