これまでの2回で、「Well to Wheel」(燃料の採掘から走行まで)のCO2排出量の少なさや環境規制強化から電気自動車(EV)の普及要因を見てきた。今回は、従来のエンジン車とEVのどちらに優位性があるかをTCO(Total Cost of Ownership、総所有コスト)の観点で比べてみる。

 自動車を保有するTCOは、大きく三つに分けられる。初期コスト(新車販売価格)と維持コスト(燃料/電気代や修繕費)、公的補助である(図1)。

図1 エンジン車とEVのTCO比較
TCOで見たときに、エンジン車よりEVの方が安くなれば、EVの普及可能性が高まる。
出典:ADL
[画像のクリックで拡大表示]

 初期コストに関しては、EVになるとエンジンと変速機を中心としたICEパワートレーンが除去され、代わりに電池とモーター、インバーターを中心とした電動パワートレーンが追加される。

 実際の部品コストを比較してみる(図2)。ICEパワートレーンは、車種にもよるがDセグメントクラスの製造原価ベースが20〜30万円といわれる。一方、電動パワートレーンは現状、15〜20万円程度とされる。電動パワートレーンは、ICEパワートレーンと同等以下のコスト水準となっている。

図2 初期コストの比較
EVは電池コストが高いため、初期コストだけでは不利。今後、電池コストが大きく低減しても、この構図は大きく変わらない。
注)EVの電池容量は60kWhで試算
出典:ADL
[画像のクリックで拡大表示]

この先は有料会員の登録が必要です。「日経Automotive」定期購読者もログインしてお読みいただけます。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら