2040年、道路交通の主役は自動運転車になり、運転免許はほぼ不要になる。自動運転車は交通事故を減らすだけでなく、センサーを駆使して街を24時間見守り、犯罪を未然に防ぐ。車は移動手段から、社会の安全を支えるインフラに進化しそうだ。自動運転車の実現に欠かせないセンサーや人工知能(AI)も飛躍的な進歩を遂げる。センサーはレーザーレーダー(LIDAR)の単価が50ドル以下に下がり、広く普及する。AIは車内外の認識に加え、人間に近い判断や推測も担うようになる。

75%が自動運転車に

 現在、多くの自動車メーカーは2025年までにレベル4相当の完全自動運転車を市場に投入する計画である(図1)。自家用車の場合、自動運転のレベルは2、3、4と段階的に上がっていく方向だ。ドイツAudi社が2017年10月に発売した旗艦セダン「A8」は世界で初めてレベル3の自動運転に対応した(図2)。まずはドイツに限り、2018年からレベル3の機能を提供する注)。レベル4の完全自動運転技術は2020年の実用化を目指している。

注)レベル3と言っても、渋滞中の高速道路での利用に限定されている。速度は60km/h以下で、同一車線での走行に限られる。自動運転中であれば、運転者に周囲を監視する義務はないものの、車両が要求した場合には、即座に運転を引き受けることが求められる。このため、車載ディスプレーでテレビを見ることは可能だが、スマートフォンを見ることは禁止されている。また、現在はドイツの規格審査当局の承認を待っている状況であり、この承認が下りなければ利用できない。

図1 自動運転車の導入計画
自家用車は自動運転のレベルを2、3、4と段階的に上げていくのに対し、配車サービスなどに向けた車両は早期にレベル4に移行する。ナカニシ自動車産業リサーチの資料を基に本誌が作成。
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図2 現状の自動運転車
(a) Audi社が2017年10月に発売した旗艦セダン「A8」は世界で初めてレベル3の自動運転に対応した。(b)Tesla社のEV「モデル3」は車載ソフトウエアの更新によってレベル4の自動運転に対応する計画。(c) Waymo社は2018年にレベル4の無人配車サービスの試験を始める。(d)GM社は2019年にレベル4の無人配車サービスを始める。
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 一方、配車サービスなどのMaaS(Mobility as a Service)用途では、レベル4の無人運転車が早期に実現しそうだ。米Google社の子会社である米Waymo社は2017年11月、米国アリゾナ州でレベル4の自動運転車を使った無人の配車サービス試験を始めると発表した。地域限定だが、2018年には一般市民を対象に通勤や通学向けの配車サービスを始める。レベル4の自動運転車は現状では高価だが、MaaSでは「運転者の人件費をシステムで置き換えることが目的」(ナカニシ自動車産業リサーチ代表兼アナリストの中西孝樹氏)となるため、早期の実用化が期待できる。

 2040年には道路を走る車の75%が自動運転車になり、運転免許がほぼ不要になるとの予測がある。無人のロボットタクシーが街を24時間走り回り、配車サービスとともに地域のセキュリティーサービスも提供する可能性が高い。ロボットタクシーが備える高度なセンサーを使い、群衆の中から不審な挙動を検出し、犯罪の可能性が高ければ通報する。

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