技術者が仕事の効率を高めるにはどうすればいいのか。1つのカギは、オンとオフをいかに迅速に切り替えられるかにありそうだ。在宅勤務やテレワークなどをミックスして、会社での滞在時間を短くしたり、通勤の混雑を避けるなどの工夫が技術者や企業に必要になるだろう。(本誌)

仕事の効率を高める

 技術者が仕事をしていく上で、仕事の効率をいかにして高めるかは、組織を問わず重要なテーマです。私が若かったころ(1970年代後半から1980年代)は、日本全体が忙しいことを美徳としていましたし、残業手当が生活給の一部として組み込まれていましたので、長時間労働は暗黙の了解事項でした。仕事はいくらでもありましたし、残業をしないで定時退社をするということはよほどのことがない限りありませんでした。大学卒業後に最初の会社勤めを始めて2カ月ほどたったある日、体調が悪く「定時で帰らせてください」と当時の上司に申し出たら「何かできることはあるだろう」と言われたくらいです。

 現代でも、若者の長時間労働は社会問題となっていて、「長時間労働をさせる企業」=「ブラック企業」という構図が定着している感があります。しかし、一方で仕事の成果は使った労働時間の関数であることも事実です。これを数学的に表記すれば図1のようになるでしょうか。稲盛和夫氏は人生の結果・仕事の結果は能力と熱意とものの考え方の積和になると喝破しました。この式は、能力を技術力とコミュニケーション力に分けた上で、稲盛氏の考えに働いた時間を加味した形になっています。かつては、「残業をたくさんしても成果が出るなら、それでも良い」という風潮もありましたが、現代ではそうしたことは許されない状況です。こうした環境の下では、最小限の労働拘束時間で最大限の成果を上げることが要求されます。そのためには仕事の効率をどう高めるかが重要になってきます。

図1 人生の結果・仕事の結果=能力×熱意×ものの考え方
(出典:稲盛和夫著、「京セラフィロソフィ」, pp.330,サンマーク出版)
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 仕事の効率を高める方法の一つは、緊急度と重要度の2軸で仕事を分類して、仕事の優先順位を決めるという方法です1)。もう少し違った角度から考えて仕事の効率を高める方法として、仕事のステップを分けて、意識して仕事をする場所を変える方法があります。ここでは、「考えること」「メールに返事をすること」と「作業すること」について考えてみたいと思います。

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