精液は“宝の山”だ(page 4)

瀧本陽介氏 ダンテ 代表取締役CEO/ヘルスケアシステムズ 代表取締役

2018/08/29 05:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

――2009年には郵送検査キットを手掛けるヘルスケアシステムズを設立され、代表取締役を務めています。

 ヘルスケアシステムズでは、尿を検体とした4種類の検査キットを販売しています。それぞれ、(1)大豆イソフラボンの代謝物であるエクオール、(2)腸内環境、(3)酸化ストレス、(4)食塩摂取量、の検査ができます。これらの項目は、食生活に影響を受けるものばかりです。

ヘルスケアシステムズが提供する4つの郵送型検査キット(提供:瀧本氏)
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 ダンテが提供している「BUDDY CHECK」では、精液中の「精しょう」を使った検査を行っていますが、実はこの成分は生活習慣などによって変化することがこれまでの研究で分かっています。

 両社が手掛ける検査キットで私たちが行いたいのは、生活習慣を可視化することです。例えば、骨が折れて病院にかかれば、必ずレントゲン撮影をしてから医師が診断や治療を行います。高熱が続き、インフルエンザの疑いがある場合も、雰囲気で診断されることは決してありません。

 しかし、病気の手前の状態では、このような“測る”行為がほとんど行われません。健康関連商品を手にとるきっかけは、テレビCMや雑誌の記事などで広告を目にして「これ良いかも」「効きそう」と直観で判断することがほとんどではないでしょうか。

 とにかく使ってみて効果を実感できれば良いですが、多くの人は「面倒くさくなった」「なんだか自分には合わない」「他の物の方が良いかも」と感じ、次第に使わなくなってしまいます。サプリメントなどの臨床試験は、基本的に1~3カ月継続して使用した場合の効果を検証していますが、そこまで継続する人が少ないのです。

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 また、効果を実感しにくい健康関連商品も多いです。骨を元気にする効果があっても、それを体感することは難しい。せっかくメーカーがエビデンスを集めても、消費者が直観で商品を選び、継続するかどうかを体感で検討するなら、適切な消費者に商品を届けることは難しくなってしまいます。こうしたミスマッチは生活習慣が可視化できないことによって数多く発生していると思います。

 もっと身近な例でいうと、スーパーマーケットに行けばさまざまな減塩食品が陳列されています。血圧が高い人は、医療機関から減塩に関する指導も受けているはずです。それにも関わらず、私たちは塩を日々何グラム摂取しているか知りません。つまり、減塩食品によってどれだけ減塩できたかも分からないのです。測ることができないから、“つもり減塩”をするほかありません。

 そこで私たちは、生活習慣の“物差し”を提供しようと考えました。病気の診断における検査に相当するでしょう。こう考えたことが、郵送型検査キットを手掛けることになったきっかけです。

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