健康機器のタニタが「食堂」をやって気付いたこと(page 4)

谷田千里氏 タニタ 代表取締役 社長

2018/07/23 11:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

――健康への関心が高くない人をどう取り込んでいくのかは、健康計測機器の事業でも共通の課題といえます。

 弊社も健康への関心が低い人に対しては、まだまだヘルスケアサービスを十分に届けられていないことを問題視しています。健康への関心が低い人に「健康になれますよ」と言っても活動量計は売れません。そういう人たちにとっては、健康計測機器を手に取ること自体がハードルになっていると強く感じます。

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 でも、諦めたわけではありません。そういう人たちに健康計測機器やサービスを利用してほしいという思いは強く抱いており、どうにかハードルを低くして手に取ってもらえないかとさまざまな挑戦をしています。

 その一つが、“売り方”の工夫です。現在は、さまざまなアニメやゲームのキャラクターとコラボレーションした商品を販売し、ポップカルチャーマーケットを開拓しようとしています。商品を手に取る動機としては、「大好きなキャラクターがデザインされたグッズが欲しい」という入り口でも良いと思うのです。

 そうしたコラボレーション商品の中には、連動するWebサイトにキャラクターが現れる仕組みになっているものもあります。活動量計のデータを転送すれば、専用アプリやWebサイトで歩数に応じてコンテンツロックが外れ、ストーリーが展開していきます。そうした仕掛けを用意することで、健康への関心が低い人の行動変容につながれば良いと思っています。

 もう一つが、活動量計をポイントカードとして使用するタニタカフェの取り組み。日々の歩数がポイントとして換算され、貯まったポイントは商品と交換することができる仕組みです。

 健康管理のためだけなら活動量計を手に取ってもらえなかった人たちにも、「歩数を計測するとポイントが貯まりますよ」「ポイントはデザートやドリンク、タニタの商品と交換できますよ」と言って使ってもらえるように働きかけています。

 まだ始まって1カ月しか経っていないので十分なデータが集まっていないのですが、歩数をポイントとして使うことで歩数が伸びるなどの行動変容に寄与するかを検証したいと考えています。日々の歩数データを基にして「もっと歩いたほうが良いですよ」などとアドバイスをする次の展開にも生かせるでしょう。

 ちなみに弊社では、今年から活動量計を社員証として使い始めました。キャラクターではなく、社員の顔を活動量計に印刷して、入館時のセキュリティーチェックやコピー機の認証に使っています。

社員証として使っている活動量計(提供:タニタ)
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