“イケイケ”なサービスは使えない、私が起業したワケ(page 2)

大久保亮氏 Rehab for JAPAN 代表取締役社長、作業療法士

2018/04/11 08:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

――作業療法士など介護従事者によるIT系サービスの起業は珍しいのではないでしょうか。

 リハビリ特化型デイサービスの運営に関しては、理学療法士や作業療法士が起業するケースが増えてきています。一方で、私のようにITを使った新規性のあるサービスを開発する会社を立ち上げる人は少ないと思います。ほとんど聞いたことがありません。

 介護従事者によるIT分野での起業にあまり例がないのは、畑が全く違うからだと思います。利用者の生活や体の状態を見ている介護従事者にとっては、IT分野の言葉遣いや考え方を理解するのが難しいのです。投資家とコミュニケーションをとる際にも苦労すると思います。私は大学院で経営を学んだり、ベンチャーキャピタリストに教えを受けたりすることでこのギャップを埋めました。

 新しい道を切り開くことになるので苦労はありましたが、それ以上に新しいことチャレンジしたいという思いが強かった。だから、ITサービスの事業で起業しました。

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 もちろん失敗も経験しました。私たちは当初、レシピ検索サイト「クックパッド」の運動版のようなサービスを開発したのですが、結論から言うとそのサービスが失敗に終わってしまったのです。

 開発したのは、使いたい野菜を入力してレシピを検索するように、筋肉名でトレーニング法の検索ができるサービスでした。でも、普通の人は「大腿筋膜張筋」なんて知りません。

 このサービスは、私たちが作れるものを作っただけだったのです。売れるものを作るのと、作れるものを作るのは違います。「このサービスいいね」と言ってくれる人もいましたが、本質的に求められるものではなかったのでうまくいかなかったのです。

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