患者にとって良い医療、「ビジネス」も必要だった(page 4)

原 正彦氏 日本臨床研究学会 代表理事/mediVR 代表取締役社長/循環器内科専門医

2018/02/05 09:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

――目利きしたアイデアを実現するポイントはどこにありますか。

 アイデアを実現するためには、たくさんの引き出しを持つことが必要です。なぜなら世の中で起こるイノベーションのほとんどは、既に存在するものの組み合わせで起こっているからです。提案されたアイデアが面白いと思ったら、頭の中でさまざまな技術を組み合わせて検証します。

 引き出しの中身を充実させるために、意図的にいろいろなところにアンテナを立てて情報感度を高めています。「なんでそんなことを知っているの?」と言われるようなことまで手を広げています。キーワードを拾ってきちんと調べ、自分の中に落とし込んだ状態でいることで、要素技術をいつでも引き出せるようになるのです。

 アイデアを選ぶときの基準として、フィージビリティー(実現可能性)を最も大切にしています。例えば、フィージビリティーの低いものに、未知の可能性を秘めた夢の技術である再生医療があります。

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 こういった技術はもちろん医学の発展になくてはならない非常に重要な要素です。しかし私たちはこうした技術には手を出しません。なぜなら、現時点で目の前の患者にとって良いことができるかどうかに主眼を置いているからです。今ある技術でできることだけを行っています。

 フィージビリティーが高く革新的なプロジェクトと、フィージビリティーは低いが世の中を変える可能性がある研究は、両輪で進ませる必要があります。しかし、今はフィージビリティーが低く、夢のある研究の車輪が大きくなりすぎていると考えています。そこで、私はフィージビリティーの高い研究に注力しているのです。

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