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患者にとって良い医療、「ビジネス」も必要だった(page 2)

原 正彦氏 日本臨床研究学会 代表理事/mediVR 代表取締役社長/循環器内科専門医

2018/02/05 09:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

――なぜ起業に至ったのですか。

 循環器内科専門医として患者に接するうちに、もっと良い医療を提供したいと思ったからです。自分のアイデアを広く現場に浸透させるために、論文を多数執筆してきました。研究の成果が評価され、AHA(アメリカ心臓協会)とACC(アメリカ心臓病学会)で世界の若手トップ5に3年連続で選ばれたこともあります。

 しかし、アカデミックに発表するだけでは現場はあまり変わりませんでした。そのときに、新しいことが現場に普及するためには3つのことが必要だと考えたのです。医学的に正しいことに加えて、ビジネスとして成り立つ仕組みがあること、そして患者が利用しやすい体制が整っていることです。

 このすべてを揃えるために、自らビジネスをしようと思い立ったのです。医師になった当初からビジネスをすることを考えていたわけではなく、患者に良いものを提供するために始めました。

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 ビジネスをすることは初めてですから、まずは勉強が必要でした。ただし、医学領域でも教育に興味があったため、当初からビジネスを回すプレーヤーと業界を支援するサポーターの両方の役割を担いたいと思っていました。

 そのためには、多くの経験を積む必要がありました。これは医師としての成功体験が参考になっています。医師の能力を向上させるためには、患者を何人診たか、疾患バリエーションをどれだけ経験したかということがとても重要になるからです。

 ビジネスにおいても意図的にさまざまなバリエーションを試しました。始めの3年くらいで、普通の人が10~15年かけて経験するようなたくさんのトラブルを経験しました。スピーディーかつマルチに場数を踏むことができたと自負しています。

 その第一歩として行ったのが、医学統計で使われる解析ソフトのマニュアルを執筆し、Web上で販売するというものでした。ニーズを満たせばその満足感に対してお金を払ってもらえることを実感し、医学雑誌の運営や臨床研究の支援などビジネスの幅を広げました。特許取得などの経験も積むことができ、ノウハウを身につけました。

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