蓄電池コストが400~500ドル/kWhに

 リチウムイオン蓄電池の導入が進んでいるのは、導入コストが下がってきたことも大きい。他の蓄電池と比べると、リチウムイオン蓄電池がkWh単位のコストは依然高いレベルにあるが、ここ数年急激に下がってきている。

 住宅向けの小型リチウムイオン蓄電池については価格が明らかになっており、米Teslaが2016年10月に発売した14kWhの「Powerwall 2」はPCS(パワーコンディショナー)を内蔵して5500ドルという低価格で、しかも10年間の保証を付けた。これを最低ラインとしても、2017年には平均でもPCS込みで1kWh当たり500ドル程度まで下がってきていると見られる。

 大型用途向けの価格は明らかになってはいないが、各社からのヒアリングを総合すると、ここ2~3年で年率20%ほど下落し、2017年時点で400~500ドル/kWh程度まで下がっていると見られる。さらに、韓国メーカーは20年保証を付けることによって、顧客にとってのリスクを低減して普及に弾みをつけている。日本メーカーも5万円/kWh代の価格を提示し始めたという声もあり、低価格競争は激化している。

 リチウムイオン蓄電池システムのコストが下がっている一番の要因はセル(充放電素子)メーカー各社が、一斉に増産に乗り出しているためである(表3)。各社に共通する戦略は、電動車両向けセルの性能向上と生産ラインを増強し、それを定置用にも転用してコストダウンを進めることである。

表3●主要リチウムイオン蓄電池セルメーカーの生産拠点・規模、実績・提携関係
(出所:「世界再エネ・ストレージビジネス総覧」)
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 2017年には世界のリチウムイオン蓄電池セルの総生産能力は100GWh程度にまで達したと見られる。さらに各社の増産計画を足し合わせると、強気の見方で2020年には200GWh、2025年には300GWh近くになるという見通しもある。