リチウムイオン電池に人気

 このうち、放電時間や充放電速度で、短周期変動、長周期変動の両方に対応して広く使われ始めたのが、リチウムイオン、鉛、NAS、レドックスフローといった蓄電池システムである。

 NAS電池は、短周期、長周期の両方に対応できるが、電力容量(kWh)単価で安価なことが評価され、長周期変動対策に使われている。レドックスフロー電池も長周期、短周期変動対策の両方に対応可能で、複数のプロジェクトで採用されている。

 リチウムイオン蓄電池と鉛蓄電池は、住宅向けなどの小型用途から再エネ併設や系統設置などの大型用途まで幅広く利用でき、短周期にも長周期にも使える(図1)。

図1●福島県南相馬市の変電所に設置された40MWhのリチウムイオン蓄電池
下げ代不足対策(長周期)と、短周期(秒単位)の電圧変動抑制効果を検証(撮影:日経BP総研 クリーンテック研究所)
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 リチウムイオン蓄電池はEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)などの電動車、鉛蓄電池も自動車向けなどに使われており、多くの企業が開発・製造を手掛けている。両電池の最も大きな違いは、エネルギー密度がリチウムイオン蓄電池の方が大きい点であり、その分小型化できる利点がある。

 この利点から、リチウムイオン蓄電池はEVやPHEVの駆動用電源として主流の座を占めているが、定置分野でも住宅向けやC&I(商業・工業施設)など省スペース化の要求の強い分野では独壇場の状況である。系統向けについても、コンテナの数が減らせるなど施工面などさまざまな利点があり、省スペースが要求される分野ではリチウムイオン蓄電池に優位性がある。