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太陽光パネルから発火! 不法行為責任は追及されますか?

<第45回>施工誤差を許さない製品設計はPL法上の欠陥にあたるか

2018/11/28 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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パネル発火で相談が増える

 「太陽光パネルから発火が相次ぐ」との記事がマスコミで報道されたこと受け、太陽光パネルの発火リスクに関する法律相談が寄せられています。

 マスコミの報道によると「屋根瓦が数㎝被さっただけで、太陽光パネルのバイパス回路の焼損に至った」ということであり、上記に関連する論点として、施工誤差を許さない製品設計はPL法上の欠陥にあたるか、という法的論点があります。

住宅太陽光の発火・発煙事故で原因を推定できた58件の分類。 施工不良が31件、製品不具合が20件、外的要因が7件。2016年が0件なのは、原因の推定が進んでいないため
(出所:2016年10月・消費者庁公表データを基に日経BPが作成)
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PL法に関する判例のポイント

 まず、太陽光パネルメーカーの責任に関し、これまでに示されたPL(製造物責任)法に関する判例と比較・検討します。

(1)最高裁判所 第3小法廷(平成25年4月12日判決)

 医療用医薬品について製造物責任法2条2項にいう「通常有すべき安全性」が確保されるために必要な、その添付文書における副作用に係る情報の記載の適否は、当該医療用医薬品の引渡し時点で予見し得る副作用の内容ないし程度、その効能又は効果から通常想定される処方者ないし使用者の知識及び能力、上記添付文書における副作用に係る記載の形式ないし体裁等の諸般の事情を総合考慮して、上記予見し得る副作用の危険性が上記処方者等に十分明らかにされているといえるか否かという観点から判断すべきである。

 この判例の規範からは、「当該施工要領に基づく施工から生じる予見可能な危険性(副作用)が現場施工者にとって十分明らかにされているといえるか」という観点からPL法によるメーカーの責任があるか否かを検討することになります。

 現場施工者は,施工要領に従ったとしても誤差が生じることについては当然予見できるが,「施工誤差」により危険性が生じることまでを予見することはできないものか。メーカーは、施工誤差の危険性を予見できるような警告表示まで行うことが必要だったか、という論点を検討していきます。

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