当初見通しが甘いとトラブルになる?

 太陽光発電システムが機能しそうな土地を連想すれば、南側隣地が空き地である場合でしょう。このような宅地に住宅を建てている顧客に「太陽光発電システムを取り付けるリフォームをしませんか? お客様宅は日当たりが良いので、売電・節電により、すぐリフォーム代金分は回収できますよ」と、営業トークを展開し、請負契約を締結したとしましょう。

 ところが、太陽光発電システムを取り付けた後、しばらく経ってから隣地に建物が建築された場合、発電量が大幅に減ったとしましょう。

 この場合、顧客は、投資効果を得ることが出来ず、初期投資を回収できないリスクが生じます。

 そして、当初に勧誘をした住宅会社に対して損失分の賠償を請求するケースが想定されます。

近隣トラブルも生じる

 隣地に新しく建物が建つことにより、自宅用太陽光発電パネルに十分な日照を受けられなくなり、太陽光発電の発電量が減る。この発電量の減る分について、補償をしてもらえるのか、というトラブルも現状、発生しています。

 隣接地にできた7階建てのマンションの影で3階建ての住宅の屋上に設けていた太陽光発電パネルの発電量が低下したとして損害賠償請求をした事案で、名古屋地裁平成20年10月2日判決は、マンションは建築基準法などに違反しておらず、住民の被害は受忍限度内であるという判決を言い渡しています。

 しかし、米国のウィスコンシン州最高裁判所は、南側隣地に建物が建築されたことにより太陽熱システムの日照が阻害された事案において、太陽熱システムに対する投資に対する投資者及び社会的利益の保護の利益があること、及び土地開発の必要性が以前より低下していること、太陽エネルギーへのアクセスを保護するため土地開発を制限する法律が制定されたことを考慮し、本件について、太陽アクセスの不合理な妨害はニューサンス(不法行為)を構成すると判決しています(Prah v. Maretti,108 Wis, 2d 223,321 N.W.2d 182(1982))。

 今後、日本の政策が進み、国民が当たり前のように太陽光発電などの設備に対して投資をすることが促進されていくようになると、日本でもウィスコンシン州最高裁判所と同じような判例が出る可能性もあると言うべきでしょう。