当法律事務所に、PIDの制御補修工事を共同で実施したパネルメーカーと施工事業者が訪ねてきました。特段のトラブルに至ったわけではありませんが、補修工事の負担割合に関する見解が両社で相違し、調整するために将来の法的リスクについて相談にこられたのです。

 出力低下を招くPID現象は、太陽光発電事業者にとっては大きなリスクです。PID現象への対応は、発電事業者がパネルメーカーやEPC(設計・調達・施工)事業者などを選定する際のテーマの1つと言えるでしょう。

 PIDは主に結晶シリコン型太陽光パネルで生じるといわれています。特定の条件下において、太陽光パネルに高い電圧がかかり、出力が低下する不具合です。パネル内のセル(発電素子)とアルミ製フレーム間に電位差が生じることで起き、高温・高湿、システム電圧などの条件が影響していると見られています(参照:「『1年で出力が約70%下がる』PIDとは?」)。

 現在、国内外の太陽光パネルメーカーの多くは、PID対策を施したとする製品を出荷しています。また、発電システム側で可能な対応策も出ています。

図1●PIDによる劣化の特徴
(出所:ケミトックス)
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