2020年に迫る「改正民法」

 昨年、民法改正法案が国会で成立し、いよいよ2020年4月から「改正民法」がスタートします。私は、大学で民法総則の講義を担当しているのですが、1年生向けの講義では、すでに新民法で講義をしており、新民法の施行を間近で感じています。

 法務対応の意識の高い企業においても「改正民法」対策の機運が高まってきました。

 私どもの法律事務所では、太陽光発電施設設置に関するトラブルを巡る法律相談が多く、裁判も複数件担当していることから、この領域における「EPC契約書」の改訂に関し、連載コラムを通じて情報を提供していきます。

 今回は、EPC契約が、通常の「建設請負契約」とどこが違うか、という観点と、現行民法でも改正民法でも、共に契約約款上留意すべきポイントについて解説します。

 その上で、次回、改正民法対策として力を入れるべき点について解説をします。

そもそも「EPC契約」とは

 設計(engineering)、調達(procurement)、建設(construction)を含む、建設プロジェクトの建設工事請負契約を略してEPC契約と呼んでいます。

 メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設プロジェクトなどでは、発電事業者と建設会社との間で締結されることが多く、契約を結んだ建設会社が、発電システム全体の設計、太陽光パネル、パワコーコンディショナー(PSC)、架台などの部材・資材などを調達し、現場の土木・施工企業の手配や進捗の監理まで一貫して担当することになります。

 通常の建設工事の請負契約では、設計・工事監理は、建築士事務所が担当し、建設会社は、設計図書に従い、建物を建築することを前提に、契約書が作成されます。これに対し、EPC契約では、それよりも範囲が広いことが特徴です。

 発電事業者の意向がEPC契約であるにもかかわらず、契約書の内容が、建設のみしか書かれておらず、設計、調達に関する観点が抜け落ちている契約書を見ることがあります。

 まずは、当事者の意向に合致した契約書・契約約款の整備を心がけるべきでしょう。

メガソーラー建設では「EPC契約」が一般的
(出所:日経BP)
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