「2~3度目」だけでは判断できない

 こうした判例などから、「消費者」にあたるかは、当該具体的事情によるものと考えます。1回目の取引だから消費者にあたる、と定型的には判断できません。

 契約の目的が、利益を得るためかというのは関係がなく、「一定の目的のためにされたものか」「反覆継続されるものか」という観点から判断されることとなります。

 また、契約書面では法人などの名義で契約したとしても、実態として「事業として又は事業のために」契約を締結していないのであれば、当該個人は「消費者」であると判断されるケースも生じることとなります。

 以上より、1度目の取引は、消費者契約法上の消費者に該当し、2度目、3度目の取引であれば、消費者契約法上の消費者には該当しないこととなる、と定型的に判断することは出来ないという結論となります。

「違反」となる勧誘形態とは?

 販売先が「消費者」と判断されたとして、どんな場合に、消費者契約法に違反となる勧誘形態とされるのでしょうか。

 消費者契約法4条1項1号は、重要事項について、事業者が事実と異なる説明を行い、これにより消費者が誤解し、契約を締結した場合について、契約の取消権を認めています。

 同法4条1項2号は、契約の目的物に関して、事業者が将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供し、当該提供された断定的判断の内容が確実であると誤認して契約を締結した場合には、これを取消せるとされています。

 さらに同法4条2項は、事業者が消費者契約の締結について勧誘する際、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限ります)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないと誤認し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消せると定めています。

 以下では、同種の先例を検討し、どのような場合に取消のリスクがあるか検討します。