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太陽光システムの販売は、消費者契約法による規制対象ですか?(page 2)

<第50回>「消費者」と「事業者」、法律上の判断基準

2019/04/25 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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2~3度目なら「消費者」でない?

 消費者契約法による保護を受けるのは、「消費者」のみで、「事業者」は保護されません。太陽光発電設備の設置は、売電による利益を得るための取引であるので、個人がシステムを購入したものであっても、実質的には当該個人は「消費者」ではなく「事業者」に該当するのではないか、が問題となります。

 そもそも、消費者契約法において、「消費者」と「事業者」を区別するのは、どのような趣旨からでしょうか。

 消費者契約法が「消費者」と「事業者」を区別し、消費者のみを特に保護する理由は以下の2点にあります。(1)契約の締結、取引に関する「情報・交渉力」の格差。(2)この格差は、「事業」に由来するため。ここで、「事業」とは「一定の目的をもってなされる同種の行為の反復継続的遂行」を指します。営利の要素は必要でなく、営利の目的をもってなされるかどうかを問いません。

 つまり、「事業として」とは「同種の行為を反覆継続して行うこと」を指します。「業」にあたるかは、社会通念上それが事業の遂行とみられる程度の社会的地位を形成するかどうか、によって最終的に判断されます。

 ある期間継続する意図をもって行われたものであれば、最初の行為も「事業として」行われたものとなります。

「個人」は消費者か、事業者か?

 「個人」は、どのような場合に、事業者になるのでしょうか。まず、事業を行っていない個人は、当然「消費者」にあたります。事業を行っている個人である「個人事業者」は、「消費者として」、又は「事業者として」、契約当事者になる場合の双方があります。個人事業者の場合、当該契約において「消費者」か「事業者」か、判断にくい場合があります。

 この場合、個々の具体的契約に即して、客観的にみて判断することとなります。その際の考え方は、(1)契約締結の段階で、該当事項が目的を達成するためになされたものであることの客観的、外形的基準(例:名目等)があるかで判断し、(1)のみで判断することが難しい場合、物理的、実質的(例:時間等)基準に従い、該当事項が主たる目的を達成するためになされたものかで判断することとなります。

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