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住宅太陽光の点検要請への対応は義務でしょうか?(page 2)

<第48回>消費者庁「火災事故報告書」に関連したクレーム対応

2019/02/25 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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「点検」の法的根拠は?

 今回、消費者庁の報告書にて、太陽光発電システムから発生した火災が屋根の野地板にまで延焼したのは、全て「鋼板等なし型」であったとのことですが、この型の累積設置棟数は、約10万7000棟もあり、それ相応の点検費用が発生するため、当該点検の法的根拠が問題となります。

 消費生活用製品安全法38条は、以下の規定を設けています。

(事業者の責務)

 第三十八条 消費生活用製品の製造又は輸入の事業を行う者は、その製造又は輸入に係る消費生活用製品について製品事故が生じた場合には、当該製品事故が発生した原因に関する調査を行い、危害の発生及び拡大を防止するため必要があると認めるときは、当該消費生活用製品の回収その他の危害の発生及び拡大を防止するための措置をとるよう努めなければならない。

 2 消費生活用製品の販売の事業を行う者は、製造又は輸入の事業を行う者がとろうとする前項の回収その他の危害の発生及び拡大を防止するための措置に協力するよう努めなければならない。

 3 消費生活用製品の販売の事業を行う者は、製造又は輸入の事業を行う者が次条第一項の規定による命令を受けてとる措置に協力しなければならない。

 消費生活用製品安全法に基づく重大事故報告制度に基づく報告がなされた事例として、平成27年12月24日に接続ケーブル(太陽光発電システム用)から火災が発生したとして平成27年12月28日に事故報告がなされた事例があります(消費者庁のリリース)。

 仮に、太陽電池モジュールやケーブルが「消費生活用製品」に該当するとなると、消費生活用製品安全法38条に基づく点検義務をメーカーは負うこととなり、38条2項に基づく協力義務を住宅会社は負うこととなります。

 しかし、消費生活用製品安全法第2条1項にて「消費生活用製品」とは、主として一般消費者の生活の用に供される製品をいうと定義されており、太陽電池モジュールやケーブルが「消費生活用製品」に該当するか? という点は法的論点となります。

 売電している消費者は、固定価格買取制度(FIT)法に基づき事業者に該当することとなりますので、太陽光パネルやケーブルなどは、「一般消費者の生活の用に供される製品」とはいえず、「消費生活用製品」には該当しないと考えられています。

 もっとも、消費者庁の対応如何によっては、メーカーによる点検や、これに対する住宅会社への協力を求められるのが実情です。住宅会社の協力義務としては、メーカーが点検を行う際に太陽電池モジュールを設置した消費者の情報を提供することなどが考えられます。

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