施工に起因する瑕疵か?

 ケーブルの発火原因は施工不良によるものが多いと言われています。

 単純な施工不良は、施工業者の瑕疵ある施工と言うことになりますが、マスコミ報道の中には、「屋根瓦が数㎝被さっただけで、太陽光パネルのバイパス回路の焼損に至った」というものもあり、施工誤差の範疇であるにもかかわらず、火災事故の発生に至るケースもあるようです。

 施工誤差は、建築工事において、常に生じうる問題ですので、設計図書と実際の施工との間に多少の寸法等の違いがあったとしても、それが社会通念上許容されるものであれば、瑕疵にはあたらないとされています。裁判上、施工業者の施工が施工誤差といえるかどうかが問題となった場合、施工業者において、自らの施工が、社会通念上許容される誤差であることを主張立証する必要はなく、消費者において、施工業者の施工が、社会通念上許容される範囲を逸脱したものであることを主張立証する必要があります。

クレーム対応マニュアルの必要性

 消費者からの問い合わせの中には、太陽光発電システムについての保守点検の必要性についての説明を受けていなかった、といった住宅会社の説明義務違反を問うものや経年劣化により発火の危険のある製品なのであれば、そもそも当該製品は購入するつもりはなかったといったクレームも寄せられています。

 クレーム対応については、物件毎のケースバイケースによる対応が必要となって参りますが、基本的事項については、クレーム対応マニュアルを作成し、対応していく必要があるというべきでしょう。

 また、住宅用太陽光パネルは、今後もZEH住宅の普及にあたり、不可欠の存在であり、保守点検の必要性を建物引き渡しの段階で説明していく必要性も大きいと言うべきでしょう。

 請負契約の締結段階、建物引渡段階の太陽光発電システムについての維持管理の必要性についての説明マニュアルも作り上げていきたいところです。

住宅太陽光の被災例
(出所:消費者庁)
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