東京高裁平成25年3月13日判決の意義

 騒音や悪臭など、近隣者間のトラブルについては、その程度が法的に許容すべき限度である「受忍限度」を超えているかにより、適法性が判断される。反射光の問題もその一つとして、適法性は、「受忍限度」を超えるかが問題となる。「受忍限度」は、法的評価であり、数値基準があるものではない。諸事情を総合的に考慮して判断することになる。

 前掲東京高裁平成25年3月13日判決は、太陽光パネルからの反射光について、第一審である横浜地裁の事実認定を、(1)まぶしさの強度、(2)反射光の差し込む時間の長さ、(3)被害回避措置の有無の3つの観点から変更したうえで、「そのまぶしさの強度は、一般に用いられている屋根材と比べてどの程度強いかは明らかではなく、また、反射光が被控訴人らの建物に差し込む時間は比較的短く、まぶしさを回避する措置を採ることも容易である、ということができるのであるから、これらを総合すると、本件パネルの反射光による被控訴人らの被害は、それが受忍限度を超えるものである、と直ちに認めることはできない」と判断し、第一審である横浜地裁の判断を変更した。

 同判決は、太陽光パネルの反射光について、一律に受忍限度を超えない、ということを述べたものではない。もっとも、太陽光パネルからの反射光という社会問題は、太陽という自然に存在する強力な光源の反射光の問題であり、直ちに受忍限度を超えるものと評価することは出来ないこと、カーテンなどを使用することで被害を完全にゼロにすることができる、といった問題であることを考慮し、直ちに受忍限度を超える被害があったとは言えない、との判断を下したものである。