太陽光発電所の不良診断には、すこしコツの要る点検がある。それは、太陽光パネルから接続箱、パワーコンディショナー(PCS)までの間の直流回路における絶縁状態の点検である。絶縁されているべき場所が、正しく絶縁されているかどうかを調べる。

 絶縁状態の診断には、絶縁抵抗値を測定し、その結果から判断する。この測定は、本来は電圧のない状態で実施しなければならない。そこで、一般的な電気設備(需要設備や負荷設備)の場合、設備を停止した状態で実施する。

 しかし、日中の太陽光パネルは、日射を受けて発電している。発電電力の送電先となる接続箱やPCSの断路器(スイッチ)を使って回路を遮断しても、太陽光パネルからそこまでの回路はそのままで、発電が続いて電圧も生じ続けている。

 このような太陽光発電に特有の環境において、絶縁状態を正しく点検する方法として、太陽光パネルの上に暗幕のように遮光できるシートを被せ、発電できない状況にした上で、絶縁抵抗計を使って点検する方法がある。

 ストリング(太陽光パネルを接続した単位)ごとに、14枚などと直列接続されたすべての太陽光パネルを遮光した状態で点検する。この方法では、太陽光パネル枚数の多い出力規模の大きな発電所ほど手間がかかり、作業時間が長くなってしまう。

 遮光の手間を省くために、日射のない夜間に検査する選択もある。しかし、照明のない太陽光発電所で夜間に作業するのは、作業の効率が悪く、不要な事故にも繋がりかねない。人件費も増す。何より、他の点検と同じ時間に作業できず、別の日時に同じ発電所に出向く必要が生じてしまう。

 遮光しない方法では、点検時に回路短絡用のブレーカーを接続箱に取り付け、点検する回路の電圧がゼロの状態を作り、絶縁抵抗計で測定する方法もある。この方法も、手間と時間がかかり、出力規模の大きな太陽光発電所で実施するのは現実的でない。