洗浄した後に発電状況を確かめると、洗浄したストリングの発電量は1623.2Wとなり、洗浄していないストリングの1437.7Wに比べて、約200Wと大きな差がついた(図4)。約13%も発電量が増えたことになる。

図4●ストリングあたりの出力で約200Wの差がついた
洗浄の効果(出所:エネテク)
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 この発電所のこれまでの月間や年間の発電量から推定すると、洗浄の費用対効果が高く、発電事業者はエネテクに洗浄を依頼した。

 この倉庫の屋根上太陽光は、発電設備を設置してから約4年間が経っていた。屋根の上に4158枚のパネルが並んでいる。

 倉庫は物流センターで、トラックなどがひっきりなしに往来している。このため、屋根上のパネルには、排ガス系の粒子が付着していた。また、フレームの縁には、砂の付着による汚れも目立っていた。

 倉庫や工場、大型商業施設といった屋根上を活用した太陽光発電所は、屋根の傾斜に沿うようにパネルを固定していることが多い。このため、通常の地上設置型に比べて設置角が小さくなる。排ガス系の粒子が降り注ぐとともに、設置角が小さいために、雨が降っても流れ落ちにくいことが影響しているようだ。

 黄砂などの季節的なものではなく、日常的に降り注ぐ汚れのため、定期的に洗浄しない限り、発電量のロスが続くことになる。

 このほか、洗浄を受注した太陽光発電所の多くは、産業廃棄物工場や農地や畜産施設など、パネルの表面を汚す微小物質の排出源が近くにあることが多いという(図5)。屋根上などのようにパネルの設置角が小さいという二つの条件が重なると、千葉の倉庫上のように、汚れによる発電損失が大きくなりやすいという。

図5●洗浄の効果がひと目でわかる
灰で全面が汚れていた屋根上のパネル。産業廃棄物工場の煙突の近くにある(出所:エネテク)
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 パネル洗浄の依頼が増えてきたのは、費用対効果の高さが認識されてきたからと見ている。定期的な洗浄の依頼も増え、直近では、九州南部の新燃岳の噴火の後、近隣の太陽光発電所から新たに受注した例もある。