測定時の「酸欠」に注意

 移動式PVラボでは、荷台の前方に積んだ発電機(出力15kVA)を活用し、空調機やI-V測定・EL画像撮影装置などを稼働している。

 発電機というと、振動や音が大きな印象がある。ケミトックスでも、とくに振動によるI-V特性の測定やEL画像の撮影への影響を懸念したが、実際には発電機の稼動時も音は静かで、振動は少なかった。防振対策が功を奏したこともあり、影響はないという。

 車体は重くなった。自重を含め「最大8t対応」に対し、約7.5tとなっている。中型車の通行が難しい場所や、ぬかるんでいる場所を通る場合には、出向けない場合もあるという。また、発電所内にある程度、平坦な場所がないと、測定精度の確保が難しくなる。

 移動式PVラボには、車内外のいたるところに、「酸欠注意」という表示が貼られている(図4)。これは、車体の製造を委託したトラック関連企業が、これまでにない箱型の荷台の使い方に対して、留意すべきこととして取り付けたものという。

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図4●酸欠の注意を促す表示
密閉環境での作業における留意点の一つ。酸素の濃度を常に確認(下)しながら作業する(出所:日経BP)
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 一般的に、箱型の荷台は輸送などの目的で使われる。主に外から中に荷物を積み込むために使われ、従事者は扉を開けた状態で作業する。

 これに対して、移動式PVラボでは、箱型の荷台は密閉し、外部とは異なる環境を作るために使う。内側から扉を閉めて密閉環境とし、その中で作業するという、これまでのトラックにはない使い方になる。これにより想定される危険に関し、車体の製造企業から安全性の喚起に関し、提案を受けたという。

 万が一、内側から扉を開けられなくなった場合などを想定し、内部から音声で外に助けを求められる仕組みも講じた(図5)。また、密閉して測定する際には、酸素濃度を常に確認し、一定以下に下がった場合には、作業を休止して、扉を開けるといった規定で運用している。

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図5●内側から扉を開閉できなくなった場合を想定した仕組み
音声などで外に助けを求めたり(左)、非常用の脱出機構(右)を備える(出所:日経BP)