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世界初、現地で工場出荷時の性能評価、トラックをパネルの移動式ラボに(page 3)

パネルメーカーに提示できる品質のデータを現地で取得

2016/10/20 00:00
加藤 伸一=日経BPクリーンテック研究所
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25℃でのI-V測定とEL撮影を一度に集約

 移動式PVラボでは、STCの条件によるI-V特性の測定に加え、EL(エレクトロルミネッセンス)画像を撮影する。

 EL画像からは、太陽電池セル(発電素子)のマイクロクラック(微細な割れ)の有無や、セルとインターコネクタ(内部配線)との接続状態などを確認できる。

 箱型の荷台の中という限られた場所を有効に使うため、1台の測定装置で、I-V特性の測定、EL画像の撮影という二つを連続して実施できるようにした(図3)。それぞれ個別の装置を使うよりも、パネルの着脱や機器の操作の手間も少なくできた。

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図3●1台の装置でI-V特性の測定と、EL画像を撮影
パネルをステージに設置(上)し、I-V特性の測定(左下)後、ステージの高さを上げ、EL画像を撮影(右下)。個別の装置を使うよりも、パネルの着脱や機器の操作の手間も少ない(出所:日経BP)

 水平型のステージにパネルを固定し、まずI-V特性を測定し、次にEL画像を撮影する。I-V特性の測定に必要な光の照射装置、EL画像の撮影装置などは、荷台の下側に置いている。I-V特性の測定とEL画像の撮影では、光の照射や画像の撮影に必要なパネルからの距離が異なるため、ステージの高さを変える。I-V特性を測定した後、ステージを上げて、EL画像を撮影する。

 1日に最大60~80枚を測定できる。測定速度を上げる上で、ボトルネックとなるのは、やはりパネルの温度調整という。

 測定場所となる箱型の荷台は、測定時には密閉し、空調機やヒーターを使って25℃を維持する。また、光の照射や撮影に影響しない面からも、屋内の試験環境と同じように室内の壁は黒くしている。

 パネルは、荷台の後部から20枚ずつ運び込み、ラックに立てかけて25℃になるよう、温度を管理する。

 運び込む前のパネルは、太陽光が当たっているために、例えば、50℃といった高温になっていることが多い。このパネルの温度を25℃に安定させるために、1時間ほど要する。

 この温度の安定化、測定と撮影、パネルの入れ替えといった一連の作業は、20枚単位で約2時間かかる。このため、1日に処理できる枚数は、最大60~80枚になる。

 出力約3MWのメガソーラーで実施した60枚の抜き取り検査は、ほぼ1日に測定できる最大の枚数となった。

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