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 検査しているのは、バイパスダイオードの開放故障(オープン故障)や短絡故障(ショート故障)の状況である(図5

図5●開放故障(右)の場合は発火の恐れがある
短絡故障(中央)の場合、発電ロスが大きくなる(出所:日置電機)
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 開放故障は、バイバスダイオードが機能を失っている状態。不具合のあるセルにも、強引に電流が流れるため、発熱による火災の危険性がある。

 短絡故障は逆に、正常に発電しているクラスタを迂回させてしまう。本来は不要な迂回が生じることによって、パネル全体の発電量が下がってしまう。

 どちらの故障の場合も、故障したバイパスダイオードのあるパネルを含むストリングを特定する。

 理想は、そのストリング内における太陽光パネルの位置まで特定できることだが、原理的にそれは難しいという。

 ストリングを絞り込んだ後、今度はそのストリング内のパネルを順に検査していくことで、故障したパネルを特定する。パネルごとの検査時には、接続用のコネクタを通じて検査する。

 検査の手法は、具体的には、まずストリングごと、または太陽光パネルごとの短絡電流(Isc)を測定し、その電流値よりも1A大きい電流が流せる電圧を印加する。検査装置の測定スイッチを押すだけで、ここまで自動で完了する(動画)。

動画●検査の様子
(出所:日置電機)

 この時に、バイパスダイオードが正常であれば、検査装置が印加した電圧によって、測定した短絡電流の電流値よりも、1A大きい電流が流れる。この1A分は、バイパスダイオードを流れていく。これによって、バイパスダイオードに断線などの故障が生じていないことを確認できる(図6)。

図6●短絡電流よりも1A大きい電流が流れるかどうかで判別
太陽光パネルを故障させることはないという(出所:日置電機)
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 一方、故障しているバイパスダイオードを含んでいる場合には、電流が流れなくなっているために、この短絡電流の電流値よりも1A大きい電流が流れない。

 この状況を示す数値や故障モードの内容が検査装置に表示されるだけでなく、表示画面全体がエラーを示すオレンジ色に発光する(図7)。このため、熟練した検査担当者でなくても、すぐに故障を把握できるという。

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図7●検査装置の表示例
故障がない場合は(上)、短絡電流(表示画面の右下)より1A大きい電流(表示画面の右上)が流れる。開放故障の検出例(左下)、短絡故障の検出例(右下)(出所:日置電機)

 測定するのは、短絡電流のほか、迂回経路の抵抗値、開放電圧である。