同じように、塗布した当日からPCSの出力が増した(図5)。塗っていないパネルが入力しているPCSに対して、元々、接続しているパネルの枚数の違いから、平均で1.9%高い出力となっていたが、その後の2カ月間で、平均で5.1%高くなった。平均で発電量が3.2%増える効果となる。

図5●群馬県館林市のメガソーラーにおける効果
段階的に塗り、平均で発電量が3.2%、3.3%増えた(出所:MDI-SBソーラーの資料を日経BPが加工)
[画像のクリックで拡大表示]

 いずれも、発電量が平均で3%以上、増える効果があった。

 これに対して、塗布費用は、材料費と塗布費を合わせ、1枚当たり600円と設定している。例えば、出力1MWのメガソーラーで、出力250W/枚の太陽光パネルを設置している場合、4000枚全部に塗布すると240万円となる。

 買取価格が40円/kWhで、元の年間発電量が東京都の平均以下の約110万kWhと想定した場合、その3%の増加分は年間発電量で3.3万kWh、売電額は132万円増えることになる。その結果、塗布費用の240万円は、2年以内に回収できる計算となる。

 発電量を増やす効果を発揮できるのは、製品設計上、もともと反射防止機能のない太陽光パネルに限定される。こうしたパネルは、買取価格40円/kWhなど、FIT開始当初に建設された発電所では、広く採用されていると見ている。

 日鉄住金物産では、太陽光パネルメーカーを主なターゲットとしているほか、こうした反射防止機能のないパネルを採用した発電所に採用を働きかけている。

 中央自動車工業によると、群馬県館林市の発電所以外にも、広島県呉市、宮崎県宮崎市、熊本県菊池市、香川県善通寺市の発電所など、すでに9カ所、合計出力約3MWの発電システムに塗布した実績がある。

 顧客にとっては、塗布による効果をいかに確認できるかが、気になるところだ。この点、日鉄住金物産では、群馬県館林市のメガソーラーのように、1台のPCSに入力しているパネルを塗布せずにおき、同じ天候で比較できるようにするなどの方法を推奨している。