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今冬の大雪で、太陽光向け除雪サービスに脚光、損壊防止も目的に(page 2)

北陸では常駐で除雪する案件も

2018/06/20 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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除雪と太陽光のノウハウ

 同社は、2015年以降、重機を使った太陽光発電所向けのサービスを展開してきたベンチャー企業である(関連コラム)。ブルドーザーや油圧ショベル(ショベルカー)などの土木機械を使い、アタッチメント(作業用の部材)を取り替えて、除雪や草刈り、太陽光パネルの洗浄などのサービスに応用している。

 除雪については、ブルドーザーで太陽光パネル下から雪を押し出す(動画1)、道路などの除雪と同じように、雪を集雪口から吸い込んで投雪部から数m先に吹き飛ばす(動画2)、といった手法を採用している。

動画1●ブルドーザーで雪を押し出す
これはアタッチメントを変えない(出所:Golden Leaf-Works)
動画2●雪を吹き飛ばす
除雪用のアタッチメントに取り替える(出所:Golden Leaf-Works)

 アレイの間隔が狭いなど、重機を使いにくい場合には、手押し型の除雪機を使う場合もある(図2動画3)。ただし、豪雪地域の太陽光発電所において、手押し型の除雪機による作業は、身体的な負担が大きく、極力、避けているという。

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図2・動画3●間隔が狭い場合、手押し型除雪機を使う
身体的な負担が大きく、極力、重機を使いたいという(出所:Golden Leaf-Works)

 一般的に、土木関連の企業による除雪では、ブルドーザーや油圧ショベルなどをそのまま使う。道路などの除雪では、その手法を使う前提でインフラが整備されているため問題なく除雪できるものの、太陽光発電所では、走行や除雪作業、雪の処分などに制約が多く、そのままの手法では難しい場合もある。

 Golden Leaf-Worksの溝渕英明社長によると、適切なアタッチメントに交換することによって、制約の多い太陽光発電所内に適した除雪などの作業を実現できる点が強みとしている。除雪については、北海道などにおける土木機械を使った経験者のノウハウも武器になっているという。

 例えば、太陽光パネルの直下、架台のすぐ近くまで土木機械で除雪できる(図3動画4)。パネルの下は、滑り落ちた雪が溜まって山のようになり、最も除雪したい場所になる。山のように積もった雪が、パネル低部につながるためだ。

図3・動画4●パネル直下、架台近くまで除雪
ノウハウの一つ(出所:Golden Leaf-Works)
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 太陽光パネルの下や、架台の近くまで除雪するには、土木機械を使った作業と、太陽光発電設備の両方の知識やノウハウが必要という。発電設備を損傷させず、かつ、しっかりと除雪できるサービス事業者は限られているという。

 雪は、主に前のアレイ下に飛ばす。ここには雪が積もっても、安全と発電の両面で問題がないためである(動画5)。

動画5●前列のアレイ下に雪を吹き飛ばす
雪が溜まっても問題のない場所(出所:Golden Leaf-Works)

 もし、春までアレイ下に雪が残っていれば、気温が急激に上がった際、太陽光パネルを冷却する効果もある。結晶シリコン型パネルは、高温時に発電効率が下がるため、温度上昇を抑えられれば、発電ロスを抑えられる。

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