三重県松阪市にある工業団地の隣接地に、合計出力約15MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「松阪山室メガソーラー発電所」がある(図1)。

図1●電力線通信によるストリング監視システムの端末を設置した接続箱
三交不動産の「松阪山室メガソーラー発電所」(出所:日経BP)
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 三重交通グループホールディングスの事業会社である三交不動産(三重県津市)が開発・運営しており、2015年12月に発電を開始した。

 このメガソーラーでは、電力線通信(PLC)を応用したストリング監視システム(図2)を採用している(関連コラム)。

図2●電力線通信によるストリング監視システムの概要
専用の通信線、電源が不要(出所:住友電気工業)
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 ストリング監視システムは、発電量をストリング(太陽光パネルを直列・並列に接続した単位)ごとに監視する仕組み。万単位のパネルが接続されているパワーコンディショナー(PCS)単位の監視よりも、十数枚~数十枚というより少ない枚数単位で発電状況を把握できる。

 そのため、太陽光パネルをはじめとする発電設備の不具合を発見しやすく、適切に対処することで、売電ロスを最小化できる可能性がある。

 一般的なストリング監視システムも、PLCによるシステムでも、ストリングごとの発電量のデータを集める点は共通している。その手法には、接続箱内にあるストリング回路からの入力端子に電流センサーを装着するタイプのほか、接続箱内に十分なスペースがない場合には、外付けのボックスを取り付ける場合もある。

 ここからのデータ伝送の手法が異なる。一般的なストリング監視システムでは、専用の通信線や、場合によっては専用の電源が必要になる。

 これに対してPLCを応用したストリング監視システムは、専用の通信線や電源が要らない。接続箱からPCSまで、直流を送電するケーブルを通信媒体として利用し、接続箱内に取り付けた端末の稼働には太陽光発電電力を使う。

 三交不動産によると、これまでのメガソーラーで採用してきた従来型のストリング監視システムに比べて、PLCによるストリング監視システムは、導入コストが数割というレベルで安いことと、メンテナンスの利点が魅力だったとしている。

 PLCによるストリング監視システムは、住友電気工業が開発したシステムを導入した。