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「通信線も電力線も不要」、無線ストリング監視の実際(page 4)

太陽誘電が製品化、国内67カ所に供給

2017/05/31 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテック研究所
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直流1500Vシステムでは端末を2個に

 太陽光発電設備の進化に伴い、設置時に工夫を要する場合も出てきた。例えば、直流回路を1500Vで構成するメガソーラーである。

 太陽誘電のストリング監視システムは、短距離の無線通信を採用しているため、20mの範囲に複数個のセンサー端末を配置することを推奨している。

 従来の日本のメガソーラーに多い、4段×5枚といったアレイ(架台への太陽光パネルの設置単位)構成ならば、20m内に複数のストリングに取り付けたセンサー端末が配置されることになり、配置の工夫はほぼ不要だった。

 ところが、直流回路が1500Vまで高電圧化すると、ストリングを構成する太陽光パネルの枚数が多くなる。場合によっては、20m以内に複数のセンサー端末が配置されないことが出てくるという。

 例えば、4段で構成するアレイの中で、上2段と下2段でストリングを分ける場合である。

 下段のパネルには、影がかかる時間帯があっても、敷地内に置くパネルの枚数を増やし、年間での発電量をより増やそうと考える発電所で、こうしたストリング構成が採用されている(図7)。

図7●上段と下段でストリングを分けたメガソーラーの例
影がかからない上段と、影で発電量が減る下段(出所:日経BP)
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 下2段の影がかかるパネル同士、上2段の影がかからないパネル同士といった具合に分け、ストリングを構成することで、どのストリングも最大電力点で出力することを狙う。

 直流回路を1500Vで構成する場合、ストリングを構成するパネル枚数は40枚などとなる。アレイの中では、2段・20枚といった配置となり、一つのストリングを構成しているパネルの総距離が20mを超える。

 このため、複数のセンサー端末が20m以内に配置されない場合が出てきてしまう。

 こうした直流1500Vを採用するメガソーラーからの引き合いでは、一つのストリングに2個のセンサー端末を取り付けることを推奨している。これによって、確実に20m以内に複数のセンサー端末が配置されるようにし、無線通信の信頼性がより高まるという。

 実際には、太陽光発電所内は、見通しが良く、無線通信の距離は20mよりも長く、100m以上飛ぶこともあるという。

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